前回、熊本の運送業H社において1年間かけてITコーディネータと私が経営者と対話を繰り返した話を紹介した。経営者が自社の業務プロセス改革に目覚め、新たな目で経営変革を進める気になった事例だ。前回は、ITによる新たな業務プロセスをデザインし、ITベンダーに対してRFP(提案依頼書)を出して提案を求めたところまでを書いた。 実はその後、また新たなドラマがあり、日本のITベンダーの「悩み」と「偏見」を知ることとなった。これから日本全体でデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていくことが急務である中で、大きな障壁だと思うので紹介したい。 H社は「重たく、精密なものを運び、設置をする」ところまでを請け負う運送会社であり、その独自性により高い収益性を誇る。しかし独自性ゆえに、世に数多くある運送業向けのパッケージソフトウエアがそのままでは使えない。 私が知る限り、全てのパッケージソフトは1車1ドラ