数学では、新しく世界を広げるために、「概念を拡張する」ことがある。 拡張するとは、適用範囲を拡げること 例えば、「数」。ぼくたちが一番初めに学ぶのが、1、2、3、4などの「自然数」とよばれるもの。この自然数に対し、「+」「−」「×」「÷」の計算ー「四則演算」ーが定義されていくこととなる。 すると、「1÷3」や「2-5」など、計算の結果が自然数ではなくなるものが出てくる。出てきた数を認め、はじめは自然数に対して定めた「+」「−」「×」「÷」を、新たに出てきた自然数ではない数に当てはめてもいいかを確かめる。 そうして、これらの演算を、小数や負の数などの自然数以外へと、拡張していく。さらには、有理数、無理数、虚数へと進んでいき、どんどん演算の及ぶ範囲を拡げていく。 こんな風に、概念を拡張していくことで、考え得る世界を拡げていくのが、数学の大きな目的の一つと言える。 ”知識”自体が大切なのではない