東京電力は8日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器につながる配管にたまった高濃度の水素を排出する作業を実施した。配管の水素濃度が爆発の危険がない1%未満まで下がらなかったため、9日も再度作業をする。 配管では最大63%の濃度の水素が確認され、このままでは工事の火花で爆発の恐れがある。東電は8日午後0時10分ごろ、計9立方メートルの窒素を配管に注入し水素を屋外へ押し出した。直後に3カ所で水素濃度を測定するといずれも1%未満に低下したが、約1時間半後の再計測では3.9%に上昇していた。 松本純一原子力・立地本部長代理は「(配管の)弁が効かずに水素が格納容器から入っている可能性は否定できないが、配管は直径30センチと大きく、(抜け切らずに)たまった水素が拡散したのではないか」と説明した。東電は水素濃度が1%未満になれば、配管を切断し、事故収束に向けた「格納容器ガス管理システム」の設置工事を始める