現代最高峰のスライド・マスター、デレク・トラックス。彼が現在メイン器として愛用するのが、ギブソンカスタム製のDickey Betts “From One Brother to Another” SGだ。このSGには、10年にわたり多くのステージをともにする中で、デレクが理想とするサウンドを実現するために、いくつかのアップデートが施されている。今回はその改造歴を辿りながら、彼が求めるサウンドについて考えていこう。 文:大江康太 (The Kota Oe Band) 写真=星野俊 テデスキ・トラックス・バンドでのギターの立ち位置 11歳の頃から演奏活動をスタートさせているデレク・トラックス。ギター・プレイヤーとして30年を越えるそのキャリアの大半において、年間200〜300日ほどをツアーで駆け回ってきた中、サウンドや演奏性はもちろんのこと、メンテナンスやロジスティクスの観点からも、彼にとって必