北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が先月13日に殺害された事件で、マレーシアのナジブ首相は30日、正男氏の遺体について「家族の要請を受けて北朝鮮側に引き渡す」とする声明を発表した。北朝鮮が出国を禁じていたマレーシアの大使館員ら9人も31日早朝、クアラルンプールに戻るという。 ナジブ氏は声明で、「北朝鮮人がマレーシアを出国することを許可する」と表明した。名指しはしなかったが、正男氏殺害に関与した疑いのある在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官や高麗航空職員らを北朝鮮に引き渡す交換条件で合意したとみられる。地元華字紙は「高麗航空職員らはマレーシアを出国した」などと報じている。 マレーシア政府が2等書記官らの出国を認めたことで、事件直後に帰国した主犯格とされる北朝鮮国籍の男4人も含め有力な手がかりを失い、真相究明は困難になった。事件を受けて北朝鮮