「キレやすい」のは若者だけでない 「キレやすい」といえば、「ムカつく」とともに、若者の特権であるかのように思われている。最近ではむしろ高齢者に多い。 ところが、その一方で、そういう若者を見て、マジ切れし、ムカついている中高年が少なからずいる、ということも事実なのだ。なにも若者だけの現象ではあるまい。 問題なのは、それなりに人生経験を重ねてきて、分別をそなえているはずの人が、自分の感情をコントロールできなくなって、いつまでも怒りつづけているという点だ。若者たちは、次の瞬間にはもう忘れて、べつのところに興味を移してしまっているというのに。 中高年になって、とくに脳に動脈硬化や小さな脳梗塞をいくつも起こしている人は、キレやすく、いったん怒りだすと、怒りがなかなかおさまらなくなることが多くなる。こうした現象を、精神医学では「感情失禁」という。感情が漏れ出てきて、それを抑える術がない状態だ。 記憶力