ぼんやりと目が覚める。 まだ暗い。何時だろう? トイレ……じゃない。なにか変な気配がする。その時、耳元でブーンという羽音が聞こえたかと思うと、 臭……ッッ‼︎ 思わず『刃牙』風に驚く。 この青臭いにおいはカメムシだ。カメムシが顔のすぐ近くにとまっていたのだ。 あわてて起き上がると、カメムシはまたブーンと羽音をたてて部屋の中を飛ぶ。 電灯をつけて周囲を窺うがどこにいるのかわからない。 私は片付けられない人間なので、部屋の中にはいろいろな物が散乱している。その中で虫一匹見つけるのはむずかしい。 するとまたあらぬ方向から羽音がする。目で追うけれど見失う。(チラッと見たところ、緑色ではなく褐色の奴だった。よけいに見つけにくい) そんなことを2、3回繰り返してようやく身柄を確保する。もちろん直接触るのは嫌なので、ティッシュ越しに摘まみ上げる。するとまた強烈なにおいが。 窓を開けて外に放り出したものの