曼殊沙華は、彼岸に咲くことから彼岸花と呼ばれます。他にもいろんな呼び名があるようです。 小さかった頃の記憶です。 小学校入学前の彼岸に、父の実家へ墓参りに行きました。父は実家に上がるとすぐ、仏壇に線香をあげました。私は緑色の線香の先についた赤い火が気になって、じっと見ていました。線香は煙を立てながら、ゆっくりと短くなっていきますが、赤い火はついたままです。仏壇にはいろんな物が置かれていて、その内、何かに燃え移るんじゃないかと思われました。でも、幸いなことに燃え移ることはありませんでした。 線香と彼岸花 父方の祖母は、よく手作りの牡丹餅をふるまってくれました。とても美味しくて、夕飯が食べられなくなるという母の心配をよそに、二個食べたと思います。 そうこうする内、みんなで墓参りに出かけます。お墓近くの田んぼのあぜ道には、彼岸花がたくさん咲いていました。まっすぐ伸びる緑の茎の上に大きな真っ赤な花