地上波放送をIP方式で再送信することを実現するためには、著作権問題の解決が不可避であることは明らかだ。こうした法制度的な面は、行政が中心に動いていくべきだが、技術的に指摘されている項目については、民間レベルで検証していくことにより解決し得るものも多い。 ディレイの問題 技術的課題として早々に指摘されたのは、IP方式による再送信には遅延(ディレイ)が出るということだ。ただ、衛星放送の登場時にも、地上波放送のデジタル化の時も、ディレイが出ることは明らかであった。デジタル放送をIP方式で再送信すれば、このディレイがさらに長くなるということである。 衛星放送の場合には、放送波を衛星に打ち上げて、トラポン(トランスポンダー)で反射して返ってきたものを地上のアンテナで受けてテレビ画面上に表示するので、衛星との行き返りの分がディレイとなる。 例えば、プロ野球の中継で言えば、地上波のラジオを聞きながら衛星