ノミやハンマー、ジャッキまで使って石を落とそうと… 「ゴトゴト石」は高知市中心部から車で40分ほどの土佐山桑尾地区にある。車1台しか通れない道をしばらく進むと、しめ縄を巻かれた巨石が林の中に鎮座しており「不思議な石」「受験生の聖地」として、これまでに新聞やテレビで紹介され、過疎化が進む人口880人あまりの同地区の観光名所として親しまれていた。高知市土佐山桑尾の佐藤嘉一地区長は言う。 「石は重さ6トンと言われていて、それがどういう仕組みで下に落ちることなくゴトゴトと動いていたのかはわからないが、私の親父が若い頃から毎年、新年に向けてしめ縄を新品に交換して大事にしてきたんです。地区の古株ですらその起源は定かではないこの行事ですが、しめ縄をみんなで手作りすることで大事に保存していく意識を共有してきた。それを、どこの者とも知らない若者たちに乱暴に扱われ、動かなくされたんです」 “事件”が起きたのは