離婚後も父母がともに子の親権を持つ「共同親権」を導入する民法改正案について、法務省は今国会への提出を見送る方針を固めた。共同親権は別居親が子の養育にかかわりやすくなるとされる一方、家庭内暴力(DV)や虐待から逃れにくくなるとの懸念もある。自民党などの推進派は早期提出を主張し、法務省も今国会提出を視野に準備を進めていたが、結論を出すのは時期尚早と判断した。法相の諮問機関である有識者らの法制審議会部会で議論を続ける。 現行民法は、婚姻中は子の親権は父母双方にあり、離婚後はどちらか一方にする単独親権を規定する。共同親権の導入論が浮上したきっかけは、親権制度の一部を見直す2011年の民法改正時に、国会の付帯決議に検討が明記されたこと。法制審部会は一昨年から議論を始め、昨年11月に単独親権を残して共同親権を導入する案と、単独親権のみを維持する案を併記した中間試案をまとめた。 併記になったのは、部会内