かつて"キャデラック"という言葉には"何か究極のもの"といった響きがあった。しかしそれは既に何十年も昔のことで、21世紀におけるキャデラックは、マイバッハやロールス・ロイスに代表されるような特別な顧客のための高級車ではなかった。 2003年に発表されたシックスティーンは、GMのプレミアムブランドとしてのキャデラック・ イメージを強固にすべく発表されたコンセプトカーだ。その全長は5673mm。マイバッハ57にも匹敵する大きさだ。長いボンネットの下にはなんと、1930年代のキャデラックを紡彿とさせる、本物の13.6リ ッター V16エンジンが搭戟されているのだ。さらに驚くべきことに最高出力は1000馬力にも及ぶというそのエンジンは、環境への配慮から市街地では4気筒のみで走ることもできたのである。 々としたシルエット、桁外れに長いホイールベース、24インチのタイヤ、垂直に立ち上がった形状のヘッド