「あ、ども。こんちは」 なんとも流ちょうな日本語ではないか……。 驚いた表情を察したのか、青年は話を続ける。 「自分、母親がパラグアイ人で父親が日本人のハーフなんすよ。名前は内山貴雄(たかのり)、21歳です。日本生まれの日本育ちで、スペイン語は話せないっす」 軽快なトークに純和風な名前。気のいいあんちゃんといった風情のイマドキの若者だ。店頭に並ぶチパを指さして、「さっき、ひとついただいたんです」と言うと、「マジっすか!」と声のトーンが上がる。「チパはパラグアイでは欠かせない食べ物で、店でも人気なんです。今日もパラグアイの人や大使館スタッフがたくさん買いにきてくれましたよ」 パラグアイの人々に愛されるチパ。どんな料理なのか、ますます知りたくなった。そこでソウルフードについて尋ね歩いていると言うと、貴雄さんは満面の笑みで教えてくれた。「詳しく聞きたいならかあちゃんがいいと思うけど、今日はここに