「ガンダム」の成功体験が「イデオン」を生んだ ――「イデオン」が制作されてから30年が経ちました。同作は、当時どのような背景で作られたのでしょうか? 富野 まず、「イデオン」は「ガンダム」を超えなくちゃいけないという意識のもとに作りました。とくに「イデオン」の劇場版に関して言えば、その直前に公開した「ガンダム」の劇場版3部作での成功体験が、僕に自信を持たせてくれたのと同時にプレッシャーを与えたんです。なぜなら、あれは映画としてイチから作ったものではなく、ベースが既放送のテレビ番組のダイジェストだったから。それでも、「劇場版」と銘打って、3部作として公開できるものを作りヒットさせてしまった。しかも日本で、いや世界で初めての例として。つまり、僕自身がこの成功で得た経験を持って次の映画を作ろう思ったとき、単なる焼き直しやスケール感だけでは「ガンダム」3部作を乗り越えることはできないと考えて、「イ