イチローが今季初めてスタメンを外れた5月30日、テキサスの日中の気温は35度近かった。午後5時を過ぎてなお、一向に日差しが弱まる気配はなく、ダッグアウトで始まった監督会見は、暑さの逃げ場がない、まるで蒸し風呂のような状態の中で行われたが、交わされた議論はさらに熱く、地元記者らはイチローの打順を巡って、エリク・ウェッジ監督に質問を重ねていた。 ある記者など、「あさって(1日)には、スタメンに復帰すると思うが、そのときの打順は何番だ?」と、まるで打順の変更を前提としているかのような聞き方をしている。その時、監督は「その日のラインナップまでは決めていない」と曖昧に言った。 この時点では、「3番には向かない。打順を変えろ」とブログなどで訴えていた米メディアも、あさっての1番復帰を予想していなかったが、思えば「決めていない」がヒントだった。 ■複雑な思いを語るイチロー「未来のことは分からない」