【9月4日 AFP】車を止める場所を見つける間にも、薬物を注射している男性が視界に入ってきた。暗い色のズボンをはき、スエットシャツの袖を半分たくし上げて腕を出したその男性は、ごみが散らかった歩道に立ち、体を揺らしながら腕に注射針を刺していた。 ■米東部最大の屋外ドラッグ市場 私が車で到着したのは、ノースフィラデルフィア(North Philadelphia)のケンジントン(Kensington)地区。ここを訪れたのは、ラジオで聞いた話を追跡取材するためだ。線路沿い半マイル(約0.8キロ)にわたり米東部最大の屋外ドラッグ市場があると言われていた。ヘロインの問題が深刻化しているこの地域の実態はどれだけひどいもので、未曽有の麻薬依存が広がっているか、メディアが半年おきぐらいに報じるほどだった。 ペンシルベニア州フィラデルフィア・ケンジントン地区の「ヘロイン・キャンプ」付近で足にヘロインを注射する