「今どきの若者は何を考えているか分からない」というのは、いつの時代も語られる。だが嘆く前に教育するのが経営者の義務である。 「今どきの若者は……。しかし貴方もそうだった!」よく耳にするが、先般も某業界のトップ経営者の集まりで聞いた気になるせりふだ。 「今どきの若者は何を考えているか分からない」「将来が心配だ」「学校では何を教育しているのか」 多くの経営者が異口同音に愚痴っていた。「また聞いてしまった」という感じだ。またまた聞いてしまったからには、テーマとして取り上げざるを得ない。筆者は彼らに言ってやった。 「あなたたちも若いころは同じことを言われていたはずですよ。それなのに結構一人前になりましたよね」 実際、愚痴からは何も生まれない。 「社会人基礎力」なる定義が経済産業省から発表されていることは産業界で1つの指針になっている。だが、それを社員に身に付けさせることが学校の仕事と考えること自体