7月に出版された『大丈夫、私を生きる』が話題だ。著者は、「トリーチャー・コリンズ症候群」という難しい病気とともに生きてきた山川記代香さん。本書は、過酷な治療を乗り越え、周囲の偏見とも闘いながら、彼女が生きてきた軌跡が綴られた感動の一冊。そこには不寛容社会で生きる私たちが学ぶべき、生きるヒントがあった 自分の言葉で病気のことを伝えていきたい 顔の骨が正しく発育せずに、顔がうまく形成されない――。約5万に1人が発症するという病気「トリーチャー・コリンズ症候群」。本書の著書・山川記代香さんは、生まれたときからこの難しい病と闘っている。 この病気のたいへんさは、過酷な治療に加え、見た目で大きなハンディキャップを背負うことだ。子どもの頃から、外に出れば、「怖い」「へんな顔」と指差され、残酷な視線の凶器にさらされてきた。数え切れないほど傷つく中で、人の目を避けるように生きてきた山川さん。しかしそんな彼