ほんの数週間前まで、日本ではバイデン外交に対する不安で溢れかえっていた。バイデン政権が発足すれば、アメリカは中国に甘くなるのではないか、気候変動などのグローバルな争点に関して合意に達することを優先し、中国の覇権的な行動に対する牽制が後退するのではないか。そうした不安が、かなり広く共有されていた。日本は、他の先進諸国と比して、「トランプ政権も案外悪くはない(特にバイデン政権と比較した場合には)」という雰囲気が強かったが、これはトランプ政権の対中政策が、粗暴なものであっても、状況に応じて中国と敵対することを躊躇なく受け入れたものであったからだ。 日本は、自分たちがアメリカよりも中国に関しタフであるという状況は必ずしも居心地が良くない。むしろ、アメリカが日本よりも対中姿勢が厳しいくらいがちょうどいい。トランプ時代はまさにそうした状況だった。トランプ・チームが切り込み、日本はそれを支持しつつ、様子
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