新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京都では12日、自宅療養者が初めて2万人を超え、急増している。病床のひっ迫で自宅療養を余儀なくされた患者の命綱とも言える在宅医療の現場を取材した。 往診依頼が急増 25人診るのが精一杯 東京・大田区にある「ひなた在宅クリニック山王」は、在宅医療を専門としていて、中等症の患者の往診も行っている。 7月から往診依頼が増え、一時は50人ほどの患者を診ていたが、コロナ患者の往診には時間がかかることなどから現在は25人を診るのが精一杯だという。取材した日、クリニックの予定表は往診の予定で埋まっていた。 そんな中、保健所などから緊急の依頼を受けて、院長たちが向かった先は、1人暮らしをしている30代の男性の自宅だ。自宅の近くには救急車が停まっていた。院長たちは玄関前で、感染防護服を急いで着込むと、酸素濃縮器を運び込んだ。 緊急の依頼を受け、防護服を着込んで酸素濃