トンガの海底火山の大規模噴火で噴出された物質は、衛星のデータから、上空およそ30キロと通常の噴火よりはるかに高く、成層圏まで達した可能性があるとされています。大規模噴火の場合、地球規模で一時的に気温が下がることもありますが、今回の噴火について専門家は「現段階で影響は限定的とみられるものの、今後、詳しい解析が必要だ」と指摘しています。 NASA=アメリカ航空宇宙局の人工衛星のデータからは、今回の噴火で放出された二酸化硫黄や火山灰などが、空気中に漂う微粒子=エアロゾルとしておよそ30キロの高さまで到達していることが分かります。 大気圏のうち高度10数キロを上回ると成層圏とされます。 九州大学応用力学研究所の竹村俊彦主幹教授によると、1991年のフィリピン・ピナツボ火山の大噴火では多量の噴出物がこの成層圏に達した結果、地上に届く太陽光が弱まり、地球全体の平均気温が0.5度ほど下がりました。 日本