ロシアvs西側&ウクライナの情報戦争で、顕著な違いの一つとなっているものがある。それはロシアの政府とマスメディアの観点からするところの、ウクライナの新たな政界の中心的存在「バンデラ派」と「ネオナチ」だ。ウクライナの革命政府とそれを支持する西側諸国は、ロシアの主張を「クレムリン宣伝者の嘘」とし、皮肉にあしらっている。革命に参加した「愛国的」、「親欧的」勢力を、「バンデラ派」と呼ぶことは、はたして正しいことなのだろうか。 ボリシェヴィキによる人工国家 ウクライナは、ウクライナ人の民族自決の結果ではなく、ボリシェヴィキによってさまざまな地域が統合された結果生じた国家だ。ウクライナの政治は長年、有権者数で同等な2地域、すなわちウクライナ西部と、西部寄りの中部vs南東部の対立で決まってきた。これらの地域の住民は文化的に異なり、東部ではロシア語が圧倒的に優勢で、西部ではウクライナ語の方が普及している。