昨年5月に会見したロウハニ大統領。イラン革命の大義の裏で政治的対立が加速する TIMA/REUTERS <各地に拡大した政権への抗議行動――改革派と強硬派の反目が招いたリーダーシップ分断危機の行方は> 昨年末からイラン各地に広がった反政府デモは、この国のリーダーシップが抱える危機をまたもやあぶり出した。非難されるべきは国家権力の全ての階層と、その内部で権力争いを繰り広げる全ての派閥だ。 デモ参加者は、最高指導者アリ・ハメネイやハサン・ロウハニ大統領に対しても抗議のスローガンを唱えた。そこから浮かび上がるのは79年のイラン革命以来、団結してきた政治エリートの各派閥、改革派と現実主義者と強硬派の間の分断だ。 さらに、国家としてのイランと社会としてのイランの溝が深まるなか、政治エリートは派閥を問わず同じ存在だと見なされていることが浮き彫りになった。 こうした危機はイラン特有のものではない。民主化
1月19日、中国共産党の第19期中央委員会第2回全体会議(2中全会)が、2日間の日程を終えて閉幕し、昨秋の党大会で党規約に盛り込まれた習近平総書記(国家主席)の政治思想「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に明記することを確認した。写真は同総書記。9日、北京で撮影。代表撮影(2018年 ロイター) 中国共産党の第19期中央委員会第2回全体会議(2中全会)が19日、2日間の日程を終えて閉幕し、昨秋の党大会で党規約に盛り込まれた習近平総書記(国家主席)の政治思想「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に明記することを確認した。国営メディアが伝えた。 同思想が党規約の行動指針に続き憲法にも明記されることで習氏の権力基盤が一層強固になりそうだ。 2中全会のコミュニケは、習氏の思想が全国的な「ブーム」を巻き起こしており、党大会で決定した戦略方針を実行する上で「強力な精神的原
1月21日、トルコ軍とシリアのクルド人勢力「人民防衛部隊」(YPD)は、交戦を続けた。トルコとシリアの国境付近に展開するトルコ軍(2018年 ロイター) トルコ軍とシリアのクルド人勢力「人民防衛部隊」(YPG)は、21日も交戦を続けた。 過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討でYPGと連携する米国は自制を求めているが、トルコ軍はシリアのYPGの拠点を砲撃。シリア領からも、ロケット弾がトルコの国境沿いの町に打ち込まれ、地元当局によると、十数人が負傷した。 トルコ軍は20日、シリア北西部アフリンのYPGの拠点を砲撃・空爆する「オリーブ・ブランチ作戦」を開始した。 トルコ政府はYPGをテロ組織とみなしており、ISの掃討作戦でYPGの戦闘員を支援する米国に強く反発している。 米政府は21日、事態を懸念していると表明。 トルコのエルドアン大統領は「空爆を開始した。地上作戦が進行中だ。非常に短期間で作
1月21日、つなぎ予算の失効により米連邦政府機関の一部が閉鎖したことを受け、議会上院の共和、民主両党の穏健派議員らは事態打開に向け協議を行った。写真は20日、記者会見する上院民主党のシューマー院内総務(2018年 ロイター/Joshua Roberts) つなぎ予算の失効により米連邦政府機関の一部が閉鎖したことを受け、議会上院の共和、民主両党の穏健派議員らは21日に事態打開に向け協議を行った。ただ、週明け22日までに合意に達するかどうかは不透明。 この日の協議には20数人の議員が参加。一部議員は進展がみられたと述べたが、妥協が成立する可能性について詳細は明かさなかった。議員らは、最終的な結論は上院共和党のトップ、マコネル院内総務と上院民主党のシューマー院内総務に委ねられたと語った。 共和党のジョニー・アイザクソン上院議員は「正しい方向に進んでいる」と述べた。「良くも悪くもあらゆる可能性を排
減速傾向が続いていたインド経済が反転しつつある。ひとつのポイントは国会での「ねじれ」の解消だ。近くモディ首相の率いる与党連合が下院だけでなく、上院でも過半数を占めると見込まれている。政権基盤が安定すれば、国内外の投資マインドが改善し、経済成長率は中国やASEANより高い7%台に回復するだろう――。 ▼2018年を読む3つのポイント ・高額紙幣廃止やGST導入に伴うマイナス影響の一巡により景気は持ち直し ・ビジネス環境の改善や政治基盤の安定化を背景に投資も拡大 ・欧米の金融政策の正常化や環境規制の厳格化には留意が必要 親ビジネス的なモディ政権の経済政策 2018年のインド経済は、(1)これまでの景気下押し要因の一巡、(2)ビジネス環境の改善を受けた投資の持ち直し、(3)政治基盤の一段の安定化に伴う経済改革ペースの加速、の3点を主因に成長率は持ち直していくと見込まれる。 最初に、再成長のカギを
1月20日でトランプ氏の大統領就任から1年となる。CCTVは特別番組を組み1年を振り返った。特に同日、米政府機関が一部閉鎖に陥ったことと、米指導者への支持率が過去最低になり中国を下回ったことに焦点が。 CCTVが特集番組 中国共産党の報道機関の一つである中央テレビ局CCTVは、ドナルド・トランプ氏が大統領に就任してから1周年となることに関して特集番組を組んだ。以下はまだ米政府機関の一部が閉鎖になる前の時点における報道だが、中国はいったい、トランプ政権の何に焦点を当てているのか、そのポイントをご紹介したい。 1.TPP(Trans-Pacific Partnership、 環太平洋戦略的経済連携協定)から離脱した。 2.パリ協定(気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定)から離脱した。 3.ユネスコ(国連・教育科学文化機関)から脱退した。 4.NAFTA(North American Fre
10代から20代前半という若さで、公私ともに人生のどん底を味わった男。彼は保険業界で再起を果たし、トップコンサルティングサービスを設立。いまやTOT(トップ・オブ・ザ・テーブル)(※)の登録資格を持ち、保険代理業にとどまらない業容の拡大を図っている。そんな小野寺佑太氏が、自らの過去・現在・未来を語り、ビジネスや人生への思いを訴える。 トップコンサルティングサービス 2014年11月設立。生命保険および損害保険各社と代理店契約を締結。主に企業の経営層を対象としてニーズに合わせた保険設計を行う。そのほか、法人資産運用、リスクマネジメントなども手がける。外資系生命保険会社にて代理店の部、日本一を複数回獲得している。 小野寺佑太(おのでら・ゆうた) 1985年生まれ。2014年、トップコンサルティングサービスを設立。16年、経営支援に特化したグループ企業、アセット・コンピュテーションを設立。著書に
Codepink activist Paki Wieland, dressed as Lady Liberty, participates in the Second Annual Women's March in Washington, U.S. January 20, 2018. REUTERS/Leah Millis トランプ米大統領の就任から1年を迎えた20日、首都ワシントンなど全米各地で大統領に抗議する女性主導のデモ行進が行われた。 昨年のトランプ大統領就任の翌日には、大統領の過去の女性蔑視発言などに抗議する女性たちが中心となりデモを開催し、今回のデモはこれに続くもの。ワシントンのほか、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどの各都市で行われた。また海外の都市でもこれに関連したデモが開催された。 全米デモの参加者の多くは大統領の政策を批判し、有権者に11月の中間選挙で投票するよう呼
日本人は「駅伝」が大好きだ。毎年1月には数々のレースがテレビ中継される。一方、五輪種目のマラソンでは日本勢の苦戦が続いている。日本の長距離界のために駅伝とマラソンを両立させる手はないのだろうか。元箱根駅伝選手であるライターの酒井政人氏は「2つの秘策がある」という――。 マラソンにとって駅伝は邪魔な存在なのか 日本人は「駅伝」が大好きだ。特に1月は駅伝のハイシーズン。元日の「ニューイヤー駅伝」(全日本実業団駅伝)から、「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)、「皇后杯 全国女子駅伝」、「天皇杯 全国男子駅伝」と立て続けに開催され、テレビ中継も行われる。 一方、マラソンでは日本勢の苦戦が続いている。現役選手は世界記録と男子で4分以上、女子は6分以上も引き離され、昨夏のロンドン世界選手権では「入賞」にさえ届かなかった。テレビ視聴率も、襷をつなぐドラマ=駅伝ほど高くない。 なぜ日本勢はマラソンで
富裕層ほど普段の金遣いに非常に敏感 日本で100万ドル以上の純資産を持つミリオネア人口は2015年時点で212万6000人と世界第3位(クレディ・スイス調べ)なのだが、彼ら富裕層の間で資産・家計防衛への関心が高まっている。「特に高齢の富裕層は金融機関のペイオフを強く意識しています」と専門家たちはいう。 そして、UBS銀行やシティバンク・プライベートバンク部門などに長年勤務した経験を持ち、富裕層への投資アドバイスを行っているグローバルマーケット・アドバイザーの小池正一郎氏は、富裕層の目が海外投資により重きを置き始めていると指摘する。 「彼らは普段の金遣いに非常に敏感です。価値があるものにはお金を出しますが、ムダ遣いは一切しない。しかし、ケチではなく合理的な家計防衛なのです。一方で、海外投資はリスクを伴いますが、前向きに受け止めています」 とはいえ、「資産防衛という観点では、高い運用益や利回り
一流の経営者は、仕事以外の時間をどう過ごしているのか。雑誌「プレジデント」(2017年5月15日号)の特集「一流の人の1週間」から、経営者3人の「オフの過ごし方」をご紹介します。第3回はカルビーの松本晃会長です。松本会長は「コンビニ6軒を回って、気になった菓子を自腹で買う」といいます。その理由とは――。(全3回) 日曜日は極力定型にしようと意識している 今、企業が社員に求めるものは、労働時間ではなく成果です。成果が上がるなら、どこで何時間働いたか、どれだけ休みをとったかは、問題ではなくなってきています。今盛んに議論されている「働き方改革」の本質は、ここにあると考えています。 そういう考えを前提に、私の休日の過ごし方をお伝えしましょう。といっても土曜日の予定はバラバラ。出張が入っていることも多く、たまにプライベートでゴルフをすることもあれば、家族の予定が入ることもあります。ただし日曜日は極力
企業の不正が後を絶たないのはなぜか 神戸製鋼所で、長年にわたる製品データの改ざんが発覚し、顧客を巻き込み大きな問題となっています。また、日産自動車やSUBARU(スバル)では、完成車の検査を資格のない従業員が行っていたことが明らかになりました。こうした企業不正は、なぜ後を絶たないのでしょうか。 企業不正が発覚すると、経営陣や管理職などの非倫理性や非合理性が問われることが多いものです。しかし、日本の場合、経営陣も不正に気づかず、首謀者もあいまいなケースが多いという特徴があります。そのため、日本では、首謀者を対象とするコーポレート・ガバナンス・システムは必ずしも有効ではありません。このような首謀者なき日本企業の不正を説明する理論として最もわかりやすいのが、ノーベル経済学賞を受賞したロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソンが展開してきた「取引コスト理論」です。 従来の経済学では、すべての人間は
吉本興業のタレントを経て、営業マン・起業家に転身した殿村政明さん。なぜ転進が成功したのか。殿村さんは「笑い」のメカニズムを分析し、営業に役立つ「話し方」を教えています。そのポイントとは――。 信念を置いたのは「礼儀正しくて面白い人」 関東の人でも関西の人でも、男でも女でも、人は笑うと距離感がいきなり縮まるものです。その理由は警戒という壁が崩れてリラックスするからです。 私は吉本興業の芸人を経てハウスメーカーに営業マンとして就職し、その後独立して起業家となり、現在は笑いのスキルでコミュニケーションの活性化を目的とする「笑伝塾」を営んでいます。 私が営業マンとして就職したばかりの頃は「丁寧」をモットーにやっていましたが、営業成績はボチボチという程度で、決して褒められたレベルではありませんでした。しかし、まわりの先輩でトップ営業マンと言われる人たちは、丁寧なだけではなく、冗談や笑いを取りながら接
<「期待に応えない」「他人に期待しない」「怒るより、謝る」......いま求められる新たなリーダーシップの形を、「日本一オーラのない監督」中竹竜二氏が提示する> 誰もがカリスマ的なリーダーである必要はない。リーダーシップの形は1つではなく、強い組織をつくるリーダーには誰でもなれる。そのために必要なのは「フォロワーシップ」のアプローチだ――。 そう主張するのは、日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクターの中竹竜二氏。指導者未経験のまま早稲田大学ラグビー蹴球部の監督に就任し、「日本一オーラのない監督」と言われながら全国大学選手権2連覇を達成。 退任後も、U20(20歳以下)日本代表監督としてワールドラグビーチャンピオンシップでトップ10入りし、企業のリーダー育成に特化したプログラムを提供するチームボックスという会社を設立するなど、多方面で活躍を続けている。 中竹氏によれば、「フォロワー
アルツハイマー病患者は増加の一途だが決定的な治療法はない Andrew Brookes-Cultura/GETTY IMAGES <糖尿病の治療薬を投与したマウスの脳機能が改善、「不治の病」に苦しむ患者に希望をもたらす可能性が> アルツハイマー病はアメリカ人の死因第6位を占める病気。米アルツハイマー病協会の報告によれば、現在の患者数は推定550万人以上に上る。患者は高齢者人口の増加に従ってますます増えるとみられているが、現時点では効果が科学的に証明された治療薬や治療法はない。 そんな状況を変えるかもしれない新研究が先頃発表された。もともとは糖尿病治療用に開発された薬が、アルツハイマー病のマウスの記憶障害や脳の変性を大幅に改善することが、新たな動物実験によって示されたのだ。人間への効果が証明されれば、この薬がいつの日か、アルツハイマー病やほかの記憶障害の治療に使えるかもしれない。 1月初め、
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