要旨 理化学研究所(理研)脳科学総合研究センター記憶神経回路研究チームのジョシュア・ジョハンセンチームリーダーらの国際共同研究チーム※は、記憶の手がかりとなる情報に生じた曖昧さが、脳内の扁桃体[1]で計算され蓄積されることで、動物の行動に反映されることを発見しました。 ある状況で楽しい体験や嫌な体験をすることが繰り返されると、その体験は出来事が起こった時の状況と強く結び付いて記憶されます。“2度あることは3度ある”といいますが、私たちは同じ状況に再度遭遇すると、情動[2]記憶によって起こりうる結果を予測し対応しようとします。ところが現実には、同じような状況に遭遇しているのに予測した結果が起こらない、つまり“2度あっても3度目はない”ということも起こります。これを「随伴性の低下[3]」と呼びます。随伴性の低下によって“2度あることは3度あるかどうか?”と情報が曖昧になるとき、その情報が脳内で