本稿では、「お客様とのコミュニケーションを図る」役割としてドキュメントを捉えるという観点から、コミュニケーション不全が起こすトラブルやそれらを防ぐための心構えを考察し、さらにそれらを助けるためのツールとしてドキュメントを紹介していきます。 システム開発の現場では、開発を依頼したお客様と、システム開発を担当するエンジニアとの間でやりとり(コミュニケーション)をしながら開発が進められます。これには、要求定義書や設計書などの公式に納品される文書もあれば、開発の進捗や今抱えている問題など、開発の経過に関する文書やメール、あるいは口頭でのやりとりも含まれます。 どのようなやりとりであれ、お客様とのコミュニケーションでは、伝えるべきことを伝えているか(コミュニケーション内容)、それは正確に伝わっているか(コミュニケーション手段)、そしてメールや文書テンプレートなどのツール、この3つが重要です。もしどれ