『記憶する住宅』のプロデューサーとして知られる美崎薫さんは大切なブログの仲間であり友人ですが、ありとあらゆる体験を記録し、自分自身のためだけに作ったアプリケーションの力を借りて日常的にフィードバックしながら生きるこの独自の個性が、自身は“過書字”(文字を書かないではいられない、脳の機能障害)というほど自身の思いや考えを文字にすることにためらいのない人物であるにもかかわらず、自身についてまとまった文章を発表していないことに私は不満を覚えていました。 美崎さんはたくさん本を書いていて、先日本人が語っていたところによれば30冊に近いそうなのですが、その多くは彼が興味を抱く分野、知悉しているテーマ(そのほとんどは広い意味でITに関連するものですが)について、その膨大な知識をもとに情報を整理して読者を啓蒙してくれるタイプの書物で、通常の分類で言えば、IT系の実用書の棚に置かれるような類のものです。で