恵庭市立図書館の取組について:様々な声を実現する ◯はじめに 恵庭市(北海道)は札幌市と千歳市の間に位置する人口約6万9,000人のまちである。恵庭市立図書館(以下当館)は蔵書約30万冊の中規模な図書館ではあるが,恵庭市は,2000年度に全国に先がけてブックスタートを実施し,2013年度には「恵庭市人とまちを育む読書条例」を制定し,市民にも「読書のまち」としての意識が定着してきているといえる。 2015年に当館が行った取組のうち主な4つを紹介したい。 (1)有料の図書宅配サービス 2013年度から実施していた「高齢者等図書宅配サービス」の拡大版といえる。もともと高齢者の方や障がいを持つ方へのサービスだったが,あるブックスタート会場で,市民から「子どもが小さいと図書館に行くのが大変。特に冬は,雪が降ると外へ出るのがおっくうだ。」との声を聞いた。そこで,サービス対象者を拡大し,市民であれば誰に