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1.はじめに 21世紀に入り,マスメディアやインターネット上において「デジタルアーカイブ」という 言葉が用いられる機会が多くなっている。外来語としての「デジタル(digital)」は,すでに 日本語として広く定着しており,「アーカイブ(archive)」についても古くから存在している 概念である。しかし,両者を結合させた「デジタルアーカイブ(digital archive)」という言葉 は,20世紀の終わり頃に日本において提唱された,いわゆる和製英語であり1) ,その歴史は 比較的浅い。 1990年代後半より,公文書館や美術館・博物館・大学などの研究機関において,これま でに蓄積されてきた古文書や古美術品などの所蔵物(アナログデータ)をデジタルデータに 変換して保存・活用しようとする機運が高まり始めた。それらのデジタルデータの集合には 「デジタルアーカイブ」という言葉が当てられるようにな
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