100周年を迎えた国立台湾図書館 2014年8月,国立台湾図書館が開館100周年を迎えた。本稿では,同図書館の沿革や特色ある事業を紹介するとともに,100周年記念行事の様子にも触れたい。 国立台湾図書館の前身は,日本統治期,「台湾総督府図書館官制」(1914 (大正3)年勅令第62号)により現在の台北市に設立された台湾総督府図書館である。第二次世界大戦後は「台湾省立台北図書館」「国立中央図書館台湾分館」など何度か名称と所属官署,住所を変え,2013年1月に「国立台湾図書館」に改称した。現在は行政院教育部に属し,台北市近郊の新北市に位置する。同図書館は,台湾に3館ある国立図書館の一つであり,資料の収集,整理,提供,保存と台湾学資料の研究推進を使命としている。納本図書館である台湾国家図書館,公共図書館の支援と電子図書館推進を主な任務とする国立公共情報図書館(国立公共資訊図書館)と並んで事業を展