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ブックマーク / jp.ign.com (12)

  • アメリカと日本のアニメーションが混ざり合う――『スパイダーマン:スパイダーバース』アニメーター・Hiroya Sonoda氏インタビュー

    2019年3月8日より、全国で公開が始まった『スパイダーマン:スパイダーバース』(以下、『スパイダーバース』)。オリジナルのスパイダーマンである、ピーター・パーカーの死というショッキングな物語から始まり、複数の次元からやってきた、様々なスパイダーマンたちの冒険を描いたアニメーションだ。 作の特徴は、他の次元からやってきたスパイダーマンを表現するために、主人公それぞれのデザインやアニメートが異なることだ。メジャータイトルでありながら、アバンギャルドな表現も多く含んだアニメーションである。そんな作がどんなふうに制作されたのかを、『スパイダーバース』に参加したアニメーターであるHiroya Sonoda氏(@Mike_sonohilo) にうかがった。 「何をしてもいい。とにかくカッコよくしてくれ!」と言われた制作現場 ――『スパイダーバース』、アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞、おめ

    アメリカと日本のアニメーションが混ざり合う――『スパイダーマン:スパイダーバース』アニメーター・Hiroya Sonoda氏インタビュー
  • 「ゼルダの伝説 BotW」、ハイラルの実在感を高めるためのサウンドデザイン

    2017年9月1日、パシフィコ横浜にて行われた開発者向けカンファレンスCEDEC 2017にて、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のサウンドデザイン担当者がその開発経緯を語った。登壇したのは、任天堂企画制作部サウンドディレクターの若井淑氏と、企画制作部サウンドプログラマ―の長田潤也氏だ。 両氏はまず、同作で使用されている音源を「オープンエアーサウンド」と定義し、その要は「環境音」であると語った。同作の環境音は、画面に映し出されているものにとどまらず、目に見えない要素をも表現するものだ。たとえば、風の音、鳥の鳴き声、川の流れなどである。視界の外にあるこういった要素を追求することで、世界観の強化が行われているという。 たとえば、グラフィックで描かれることのない虫の鳴き声は、主人公リンクを中心にhex座標を展開することで立体感を表現した。同じ方向に重複した音源のうち、ひとつを進行方向の

    「ゼルダの伝説 BotW」、ハイラルの実在感を高めるためのサウンドデザイン
  • 「ゼルダの伝説 BotW」、こうしてオープンワールドの見本となるような作品ができあがった

    最大級のゲーム開発者向け技術交流会CEDEC 2017にて「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』におけるフィールドレベルデザイン~ハイラルの大地ができるまで~」という講演が行われた。講演者は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、BotW)のディレクターを務めた藤林秀麿氏とシニアリードアーティストの米津真氏だ。 「引力」でプレイヤーを誘導 藤林氏は数百名のテストプレイヤーのマップ上に表示された足跡の図を2枚、披露した。その場所を訪れたプレイヤーが多ければ多いほど、足跡はより明るい色で表示される。1枚目の図では街道に沿って進んだプレイヤーが約8割で、残りの2割は積極的に道なき道を進んでいったという結果になり、プレイスタイルが二極化していた。2枚目の図では街道がある場所もそうでない場所も全体的により明るい色になり、プレイヤーの探索の幅が確実に広がった。これらの図はある施

    「ゼルダの伝説 BotW」、こうしてオープンワールドの見本となるような作品ができあがった
  • 【海外の視点】日本のゲーム産業がいかに復活を遂げたか

    それは、非常にシンプルな情景だった。高そうな黒服に身を固めた4人の美男子が、ひときわ高級そうな自動車に乗っていたが、それが故障してしまった。やむなく車を外から押すはめになった青年たちのバックに、Florence + the Machineによる『スタンド・バイ・ミー』のカバー曲が流れる。美しく、穏やかなシーンだが、『ファイナルファンタジーXV』のエッセンスを見事に捉えている。4人の親友たちが、広い世界に初めて乗り出す。これから数々の新しい土地を訪れ、時には友情を試されながら、試練を乗り越えていくのだと伝わってくる。 だが別な見方をすれば、FFシリーズの新たな方向を確立し、今世代機でナンバリングシリーズを再始動しようとしている作品のオープニングシーンが「壊れた車を動かそうとする人々の姿」というわけだ。少しあからさまな例えではあるが、このシリーズ自身の状況とぴったりイメージが重なる。さらにリリ

    【海外の視点】日本のゲーム産業がいかに復活を遂げたか
  • 「ブレードランナー2049」の世界一複雑なセックスシーンはどのようにして作り上げられたのか

    「ブレードランナーであるKは、暴力を通してでしか肉体と触れあったことがありませんでした」 「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はケベック風の柔らかい口調からは想像できないほどの熱意を込めて語った。「彼は物の愛情を味わったことがありません。人間はレプリカントを嫌悪しているので、物の人間と触れあったこともありません。そして、同類のレプリカントも仲間殺しのブレードランナーを嫌っています」 「ですから、彼は孤独なのです。彼が唯一関係をもてる相手はジョイですが、ジョイとは物理的に触れ合うことができないので、この関係性は制限されています。実際のところ2人の関係は奇妙で深遠なものですが、完全ではありません」 映画の折り返し地点で、ヴィルヌーヴ監督と、脚家のハンプトン・フィンチャー、マイケル・グリーンは、Kとジョイの関係を「完全にする」方法を見つける。 AIのガールフレンド、ジョイ

    「ブレードランナー2049」の世界一複雑なセックスシーンはどのようにして作り上げられたのか
  • 【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために

    ゲームは、現代を代表する表現形式である。疑うならば、電車に乗れば良い。子どもも大人も、スマホを開き、ゲームに興じている。 これだけの大勢が日常的に接しているメディアである。人々の感性や認識に影響を与えないわけはない。しかし、そうであるにも関わらず、これまで、批評・研究は、正当な目を注いで来なかった。その理由は、人類が手に入れた新しい表現形式・メディア・芸術であるゲームの正当な価値を見誤ってきたからでもあるし、既存の方法論ではゲームを論じることが困難であった、という理由にも拠るだろう。 ゲームは、少なくとも映画が払われてきたのと同じぐらいには、注目され、論じられてしかるべき表現である。映画も生まれてまだ一〇〇年ちょっとしか経っていない新しいメディアであり表現形式であり、最初は単なる見世物であり神経を刺激するだけのものと考えられてきたが、二〇世紀における映画・映像が、単なる娯楽に留まらず、人々

    【SF史に残る(べき)ゲームたち】第0回 ゲームを正当に評価するために
  • 「長編アニメーションの新しい景色」主催・土居伸彰氏が語る21世紀のアニメーションの世界とは?

    今月13日より渋谷のシアター・イメージフォーラムにて公開されている「長編アニメーションの新しい景色」は世界各国の長編アニメーションを特集上映する企画だ。この特集上映を主催するのは、海外映画祭に足を運び、日国内に世界のアニメーションを紹介する活動を続けている土居伸彰氏。同時に評論家として活動しており、昨年には新しい視点から現在のアニメーションを見通した「21世紀のアニメーションがわかる」を上梓している。 今回は日国外のアニメーションにおいて、多彩な活動を行う土居氏に特集上映をはじめ、現在の世界のアニメーションを取り巻く状況についてもお話をうかがった。 土居伸彰氏、画像はNEWDEER公式サイトより アニメーション研究者が「面白い作品が日に紹介されていない」現状に気づいた ー土居さんの活動はアニメ―ション評論家のほかにアニメ―ション映画祭に関わるなど、ひとつに括れない多彩な活動をされ

    「長編アニメーションの新しい景色」主催・土居伸彰氏が語る21世紀のアニメーションの世界とは?
  • 「VA-11 Hall-A」は、南米文学史に加えられるべき傑作である

    (ヴァルキューレたちは)戦死者たちの魂を集めて、それをオーディンの雄大なる楽園へと運んでいく。天井が黄金でできていて、たいまつではなく抜き放たれた剣の数々に照り映えるそこの「戦死者の大広間」、ヴァルハラで、戦士たちは夜明けから日暮れまで戦った。そのなかで斃れてしまった者たちもふたたび生き返り、そこで一同は神の宴を共にし、不死の猪の肉や角の盃に盛った尽きない蜂蜜酒をふるまわれた。 ――J.L.ボルヘス、M.ゲレロ著『幻獣辞典』、項目「ヴァルキューレ」より ゲームのなかに展開される虚構世界は、いつもヴァルハラめいている。RPGでも、FPSでも、STGでも、私たちはあらゆる魂をはじめからやりなおし、あらたな戦いに向かうことができる。先日、日語版がリリースされた名作「VA-11 Hall-A」も、この類型の例外ではない。しかしその手段は、こんにちのビデオゲームにおいて、もっとも先進的なものだ。

    「VA-11 Hall-A」は、南米文学史に加えられるべき傑作である
  • 対戦ゲームのバランスは何が“正解”なのか? ―― 「スプラトゥーン2」から見るゲームバランスという曖昧で魅力的な存在

    「ああクソ! このゲーム、バランスが悪すぎるせいで負けた!」 対戦ゲームを遊んだことのあるゲーマーならば、上記のようなことを一度は口にしたことがあるのではないだろうか。他のプレイヤーとゲームを通じて戦う対戦ゲームというものは、ゲームバランスが非常に重要な要素となっている。とあるキャラクターが強すぎれば他のキャラクターは使う意味がなくなってしまうし、大きな穴があれば対戦そのものが成り立たなくなる可能性もある。 しかしながら、“完璧なバランスの対戦ゲーム”というものがまず存在しないというのは面白いものだ。対戦ゲームはいろいろあるが、プレイヤーに話を聞けばたいていどれが強すぎるだの不満を聞くことができるはずである。これはゲームバランスを調整することの難しさを示すと同時に、プレイヤーを納得させることが難しいことも表している。 一口に対戦ゲームと言ってもさまざまだが、今回は実際にゲームとして発売しつ

    対戦ゲームのバランスは何が“正解”なのか? ―― 「スプラトゥーン2」から見るゲームバランスという曖昧で魅力的な存在
  • 「ゼルダの伝説 BotW」にバグが少ない理由

    素晴らしいオープンワールドゲームならいくらでもある。「The Elder Scrolls V: Skyrim」、「ウィッチャー3 ワイルドハント」、「グランド・セフト・オートV」、「Fallout 4」など、巧妙に作り込まれた膨大なスケールのゲームは特に海外のタイトルが多いように思う。それらと比べても遜色のない国産タイトル「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(以下、BotW)だが、他のオープンワールドゲームより優れている点があるとすれば、バグの少なさなのではないだろうか。僕はハイラルの世界を150時間以上冒険しているが、バグらしいバグに遭遇したのは片手で数えられる程度の回数しかないのだ。 では、なぜBotWはこんなにもバグが少ないのか。「何年も入念に開発してきたからだ」とか「細かいところを丁寧に作り込む日人の職人魂が備わっているから」とか、そんな理由でも片付けられそうな気がするが

    「ゼルダの伝説 BotW」にバグが少ない理由
  • 好きなゲームをクソゲーと言われ悔しくて作家デビューした人物の“ゲームSF小説”を読み解く、そこにはゲームレビューの可能性が秘められていた

    ゲームが好きであろう読者に問うが、あなたは自分の好きなゲームをけなされて怒りを覚えたことがあるだろうか? 通販サイトのレビュー欄、良心的ではないまとめサイトやそのコメント欄、心ない人の書き込み……。誰もが情報を発信できるネットの時代になって、そういった経験をしたことのある人はより多くなったのではなかろうか。 幼少のころ、父親に買ってもらったゲームが雑誌でけなされているのを知り、その反骨心から結果的に小説家になった人物がいる。その人が書いた小説の名前は「ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム」。表向きには“未来のゲームをレビューするSF小説”ということになっているが、その実は“未来のゲームに対してつけられるであろう低評価を、著者が今の段階で否定しておく”という狂気とも言える内容なのである。つまり、幼いころの低評価を許せないという気持ちが続き、小説にすらなったのだ。 一見するととんでもない話だ

    好きなゲームをクソゲーと言われ悔しくて作家デビューした人物の“ゲームSF小説”を読み解く、そこにはゲームレビューの可能性が秘められていた
    tomisyura
    tomisyura 2017/07/09
  • 【電遊奇譚:其十三】ロンドンのルイージマンション

    私の母は私がゲームをプレイしているときに死んだ。部屋でコンピュータに向かっているとき、階下がやけにざわついているものだから、様子を見に降りた。すると私の母は、私たち家族が20年間事をともにした台所机のそばに石のように転がっており、そのまわりに数名の水色の服を着た男たちがいて、さかんに彼女の身体に「蘇生」を行っていた。そのうち担架が搬入され、彼女の身体が運ばれていった。しばらくして電話が掛かってきた。救急車に同乗した父だった。「お母さんは死んだ」と彼は言った。「そうか」と私は答えた。それから私はいったん家の外に出て、なぜか大学に電話をかけた。「しばらくのあいだ顔を出せないと思います」私は最も懇意にしていた事務員の女性にそう告げた。 どうして、と彼女は言った。 「母が死にました」と私は答えた。 どうして、と彼女は言った。 「頸を吊ったんです」と私は答えた。 彼女は言った。「いまは自分のことだ

    【電遊奇譚:其十三】ロンドンのルイージマンション
    tomisyura
    tomisyura 2017/07/01
    “「でもね、ただの配管工だって、あれだけのことができるんです」と彼はつけ加えた。「僕はただのベルボーイだけど、おなじくらい、できるつもりでいるんです」"
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