いま、大きく脚光を浴びているIoT向けプラットフォーム「SORACOM」。 その背景には、創業1年目の起業家が描く、未来を変えるための強い思いがあった。 「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)上にIoT(モノのインターネット)向けのプラットフォームがつくれればすごいのではないか」2014年、ソラコムCEOの玉川憲、同CTOの安川健太はいつものように飲み会の席で盛り上がっていた。そのときの会話がはじまりだった。 「その夜、時差ボケで眠れず暇だったので、“架空のリリース” を書いてみたんです」玉川が当時在籍した、米アマゾンでは、新製品をつくる前に架空のリリースを書く文化があった。玉川が朝、改めてリリースを見直すと、「いける」。 これまでIoT領域には様々な課題があった。なかでもモノとクラウドをつなぐ「インターネット接続」は大きな課題だった。なぜなら、実際にIoTシステムを構築するには通信が必要