2015年の8月にScience誌に衝撃的な論文が発表されました。査読付きの主要な学術誌に発表された心理学と社会科学の研究論文100件についてその結果の再現を試みたところ、同じ結果が得られたのは39%にすぎなかったというのです。2010年以降、心理学の中で研究の信頼性に関する問題がクローズアップされています。何が問題となっているのか、またそれに対してどのような対応が進められているのかを、日本でこうした問題に取り組まれている研究者の方々に話を伺いました。 取り組みのきっかけ ――こうした問題に取り組もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。そのときにどう思ったのかも教えてください。 池田功毅(以下、池田): 池田功毅(いけだ・こうき):中京大学心理学研究科・日本学術振興会特別研究員PD。主要著作・論文にShape and spatial working memory capacities
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