引退宣言は記者会見ではなくツイッターで発表され、デレク・ジーターらと共に運営しているネットメディアに掲載された。 スーパースターの引退は、それがどんな形であっても、人々の心を揺さぶる。全盛期に辞意を表明すれば「まだできるのに」「もっと続けてほしい」と乞われ、衰えがわかるまでプレーし続けると「いい思い出のままで終わらせてほしかった」と嘆かれる。ファンとは身勝手なものなのだ。 もっとも、身勝手なのはスーパースターも同じだ。誰から何を言われようと、自分のやり方を貫く。それぐらい強い意志の持ち主だからこそ、頂点にまで上り詰めてきたのだろう。 コービー・ブライアントにとってのやり方も、最後まで勝手で、そして泥臭かった。 ここ数年、自分のプレーができなかった。 今シーズンのブライアントのプレーは、正直言って、時に見ていられないほど酷い。 2年半前にアキレス腱を断裂してから故障続きで、昨季も、その前のシ