本業は調達のコンサルタント。その傍ら、ビジネス書の執筆、講演、テレビの出演と多忙を極める坂口孝則氏。彼の人生最大の挫折は、30代のはじめ、大企業を離れたことに端を発します。 坂口:僕の最大の挫折体験は、幻冬舎さんのせいでもあるんですよ。 ──え、それはどういうことでしょうか? 坂口:あ、もちろん、僕が勘違いしたことがいちばんの理由なんですけどね。2008年1月に、幻冬舎から初めての新書『牛丼一杯の儲けは9円 「利益」と「仕入れ」の仁義なき経済学』を上梓したのですが、おかげさまで、これがけっこう版を重ねまして。 ──素晴らしいことです。 坂口:ですよね。本当にありがたいことでした。毎週のように「重版が決まりました。部数は5000部です」という連絡が来るんですからね。それが5~6週間続いたんです。当時、僕は自動車メーカーに勤めるサラリーマンで、月給は手取りで20万円台。そんな人間が、毎週のよう