5月に世界保健機構(WHO)が携帯電磁波の発癌性を指摘したのち、雑誌やネットを中心に電磁波問題が報じられるようになった。こうした中で、読売新聞は、「環境過敏症」という連載で、この問題を取り上げた。ところが、業界最大手のNTTドコモに関する記述は、ゼロだった。沖縄セルラーとKDDIに関する記述も、具体的な肝心の企業名を、匿名とすることに徹した。一方、紙面広告の出稿量を調査した結果、NTTドコモが9月の連載期間中(8日間)だけで5ページに渡る「全面広告」を出稿していたことが判明した。広告主の利益ばかり考え、生活者の立場から見たら加害者であるケータイ各社の実名を隠してしまう新聞は信用できるのか。5W1Hの基本的事実すら報道できない読売新聞の凋落を、メディアリテラシーの視点から検証した。 Digest 電磁波問題と環境ホルモン 主語を省略した新聞記事 原発村と電磁波村 加害者は沖縄セルラー 匿名報