鹿児島県の三反園訓知事が19日行った九州電力川内原発周辺の視察には、立地する薩摩川内市職員は同行しなかった。避難計画は市が県と連携して策定しているが、今回の視察を受け入れた住民との調整は県が直接行った。ある市幹部は「市を飛び越してやりとりするのは常識的じゃない」と話している。 「どうして市職員は来ないの」。川内原発から約11キロの城上地区コミュニティ協議会の田島俊一会長(71)が県職員に尋ねると、職員は「県の視察ですから」と答え、理解を求めた。 田島会長は「地域のことは市が一番分かっていて、避難計画も市が作っている。市がいないのは納得いかない」と不満顔を見せた。 市の防災担当者は「避難ルートの確保や設定は市の役割。市民の安全確保は市の責務だと思っている」と語るが、県は視察の日程や場所などについて市と調整はしなかったという。 連携不足を指摘されている三反園知事。避難計画の見直しの進め