何しろ初めてだったのだ。宗教の勧誘とはいえ、初対面の、それも20歳前後の美しい女性から携帯番号を教えられたのは。「個人の携帯です。いつでも連絡をください」。少し佐々木希に似ている宗教ガールの声はカピカピに枯れた僕の心と海綿体を潤してくれたような気がした。それがちょうど1週間前の日曜日の午後の出来事だ。でも僕は電話出来なかった。すでに結婚をしているから、ではない。仕事に追われていたからでもない。僕はEDだ。彼女に連絡を取って、パンツを下ろさなければならない局面になったとき、股間が静かなること林の如しだったら…。その静かな恐怖はいつも僕から積極性を奪う。いやでも、つって逡巡してるうちに宗教ガールが僕の留守中に我が家にやってきて妻と遭遇してしまう。帰宅するなり妻から報告を受けた。若い女の訪問を受けた。私は恥ずかしい。なぜ宗教ノー!ときっぱりと断らないのか。妻からの一方的な詰問。宗教の勧誘と飛び込
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