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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (4)

  • 『ハングルの歴史』 朴永濬他 (白水社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 最初に手にとった時は論文集かなと思ったが、読んでみると学術的というよりは雑学寄りのだった。 邦題は『ハングルの歴史』となっているが原題は『韓国語の謎』だそうで、韓国語表記の歴史をめぐる14のエッセイがおさめられている(原著では16)。それほど深く掘りさげているわけではないが情報量はけっこう多く、今月とりあげたを読んでいて頭に浮かんだ疑問の多くが解けた。韓国語のできない人間にとってはありがたいであるが、事実の隠蔽や歪曲もたくさんある。韓国人はハングルにプライドを持っているが、そのプライドはガラスのように脆いらしい。 最初の4はハングル誕生以前の話で吏読、口訣、郷札をとりあげている。万葉仮名にあたる郷札は早く廃れたが、変体漢文の一種である吏読は下級官吏の表記法として公認され、李朝末期まで公文書に使われていた。 訓読文にあたる口訣は漢文の経典を読むために密かに使

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  • 『括弧の意味論』木村大治(NTT出版) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「理想の授業」 何とまあ、いい感じに地味なタイトルだろう。こういうはぜったいにおもしろいはず!と期待感とともに手に取ったが、予想以上に興奮した。「理想の授業」を受けたような気分である。若い頃にこんな授業を受けていたら人生変わっていたかもしれない。 著者は一九六〇年生まれだから、まさにニューアカ世代。元々の専門が文化人類学というのも時代を感じる。バブルだの軽薄だのと批判を浴びることも多い年代かもしれないが、こういう頭の使い方ができる人がいるのが強みだ。言語学的なソリッドな考え方をベースにしつつも、哲学、論理学、数学、社会学、人類学といった領域にも上手に浮気をして飛躍の助けにする、そのバランス感覚がたいへん魅力的なのである。文学的な鋭敏さも備えている。文章は不必要な深刻さや晦渋さとは無縁で、ごく透明。控えめに使われる比喩も効いている。 そもそも「理想の授業」とはいったい

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  • 『人文学と電子編集―デジタル・アーカイヴの理論と実践』 バーナード&オキーフ&アンスワース編 (慶應義塾大学出版会) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 中西秀彦『学術出版の技術変遷論考』の終章では今後の印刷所の生きのびる方途として文書の構造化支援をあげていたが、多くの人は文書の構造化という言葉にはなじみがないかもしれない。なじみがないのは言葉だけで、実際は普通に目にしている。 でも雑誌でも表題や見出しは大きな活字で組まれているだろう。重要な語句は傍点が振ってあったり、太字になっている。引用部分は字下げして、どこからどこまでが引用か一目でわかるようになっている。これが文書の構造化である。 以上あげたような構造化ならHTMLにもできるが、それ以上の構造化となると文書の性格に係わってくるので一律にはできない。それを可能にしたのがXMLなのだ。 欧米ではTextEncodingInitiativeがXMLによる文芸作品の構造化の研究を強力に進めており、その成果をガイドラインとして発表しているが、日ではあまり知られていない

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  • 『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「紙と人間の親和性は永遠か?」 待ちに待っていたが刊行された。『印刷雑誌』連載中から、になるのをずっと待っていたものだ。紙と印刷について、文化歴史、科学技術面からの考察をはじめ、9.11やWikiLeaks問題といった政治経済まで、じつに幅広い話題が採り上げられ、毎回読むのが楽しみな連載だった。 書は、前日印刷学会会長であり東京大学名誉教授(製紙科学)である “紙の専門家” 尾鍋史彦氏が、月刊『印刷雑誌』に1999年から2011年末まで13年間にわたって連載した「わたしの印刷手帳」156編のうち、70編を抜粋し分野別にまとめたものだ。 章立ては「第1章 印刷物の影響力」「第2章 情報と紙の関係」「第3章 産業としての印刷と紙」となっており、各章の終わりには書き下ろしで総括的な文章が掲載されている。 著者が製紙科学の専門家だから、ひたすら紙を礼賛した内容だと思

    『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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