瞬間的に見たものを記憶する能力(直観像記憶)は、人より子供のチンパンジーが優れていることを京都大学霊長類研究所(愛知県犬山市)の研究グループが突き止め、4日付の米国科学誌「カレント・バイオロジー」に発表した。 松沢哲郎教授(比較認知科学)らが平成16年から、同研究所で飼育しているチンパンジーのアユム(7歳)などと大学生で実験。チンパンジーには1から9までの数字の大小を覚えさせたうえ、コンピューターの画面上に5つの数字を瞬間的に表示し、小さい順に消去させる実験を繰り返した。 数字を0・21秒見せた際のアユムの正解率は約8割と高かったが、28歳の大人チンパンジーは約2割、大学生9人は約4割にとどまった。 アユムの記憶は10秒以上持続することも判明。ほかにテストした子供チンパンジー2匹も同様の能力を持っていたという。 眼球の動きも観察したところ、極めて短時間のため、人間、チンパンジーともに数字を