今にも道路に飛び出してきそうな子供の姿で、ドライバーに注意を呼びかける「飛び出し坊や」(飛び出し人形)。滋賀県内の道路でこの人形をやたら見かける-との声をよく耳にする。それもそのはず、飛び出し坊やの“誕生の地”は滋賀県なんだとか。そうした歴史もあってか県内では、人形の数の多さはもちろん、テレビアニメの登場人物や、「甲賀忍者」「近江商人」といったご当地ものなどさまざまな坊やのバリエーションが楽しめる。そんな坊やも今年で「40歳」。王国・滋賀の“坊や事情”を探った。(小川勝也) 滋賀県に初めて飛び出し坊やが登場したのは、昭和48年。当時、日本は高度経済成長期を経て自動車の数が増え、道路整備も進んだが、一方で歩道や信号機など安全設備は不十分だった。このため全国的に歩行者が被害に遭う事故が発生。子供の飛び出し事故も頻発していたという。 そこで子供を事故から守ろうと、旧八日市市(現東近江市)の社会福