政府は安定的な皇位継承策の検討にあたり、現在の皇位継承順位を変更しないことを前提とする方向だ。女性・女系天皇をめぐる議論が継承順位の見直しにつながれば、皇室制度が動揺しかねないと判断した。今秋にも有識者会議などの場を設け、具体的な議論を始める。 制度の混乱回避狙う 皇位継承資格を持つ男系男子の皇族は3人。継承順位は〈1〉皇嗣(こうし)の秋篠宮さま(53)〈2〉悠仁さま(12)〈3〉常陸宮さま(83)――となっている。 政府関係者によると、皇位の安定継承の議論は、〈1〉まず3人の男系男子が現在の順位に従って皇位継承することを明確にする〈2〉そのうえで具体的な安定継承策や皇族数の減少対策を検討する――という2段階で進める構えだ。 政府がこうした段取りで議論しようとするのは、野党が女系天皇や女性天皇の実現を主張しているためだ。 野党第1党の立憲民主党は6月、女性・女系天皇を容認し、皇位継承順位は