国際政治上の危機分析を専門とする米調査会社ユーラシア・グループは4日までに、2023年の「十大リスク」をまとめた報告書を公表した。ウクライナ侵攻を続けるロシアや長期支配体制を確立した中国の習近平国家主席などを上位に挙げる一方、いわゆる台湾有事については、米中両国が相互に経済依存関係を深めていることなどから、ランク外の「リスクもどき」に分類。少なくとも今年中は起こり得ないと分析した。(政経部・又吉俊充)
沖縄県の玉城デニー知事の「(ウクライナ大統領の)ゼレンスキーです」との発言に波紋が広がっている。県関係者によると26日、知事発言に対し、県庁へ電話などで少なくとも数十件の苦情が寄せられた。県議会では、県政野党から早くも発言の説明を求める声が上がり、政局化は避けられない見通しに。与党県議は「知事選を控える中、この失言は痛い」と頭を抱える。(政経部・又吉俊充、山城響) インターネットの交流サイト(SNS)では知事発言の報道後、「軽率だ」と批判的な投稿が相次いだ。発言に理解を示す投稿も見られたが少数だった。 一方、県議会(赤嶺昇議長)は30日に各派代表者会を開き対応を検討する方針だ。 与党幹部は発言を問題視し「基地問題を話す会議の場で出る言葉か。今回はかばいようが...
沖縄県の玉城デニー知事=写真=が25日にあった米軍基地問題に関する「アドバイザリーボード会議」に出席するため会議室に入り着席する際、オンライン参加の委員に「(ウクライナ大統領の)ゼレンスキーです、よろしくお願いします」と声をかける場面があった。その場で「冗談です」と打ち消したが、同日の記者会見で真意を問われ「不用意だった」と陳謝した。ウクライナはロシアの侵攻により、多くの市民が犠牲になっている。 知事は会議の定刻前、委員がウクライナ問題に関して自由に対話しているところに入室した。 会見で知事は「席に着く時にゼレンスキーさんの話をしていたので、他意はなかった」と釈明。「ウクライナ国民の平穏な生活を一日も早く取り戻してほしいというのが私の偽らざる正直な気持ちだ」と述べた。その上で「ウクライナの状況を軽んじていることは毛頭ない。誤解を招くような発言で、おわびを申し上げたい」と重ねて謝罪した。(政
沖縄県は、25日に開いた「アドバイザリーボード会議」終了後、会議開始前の知事や委員の雑談部分の報道を控えるよう、報道各社へ通知した。その後、会議外の発言であることに「留意」するよう再通知し、事実上、報道への制限はなくなったものの、公の場での発言にいったんは報道の制限を求めた県の姿勢に、識者は「問題がある」と指摘する。 知事の「ゼレンスキーです」との発言は雑談の冒頭にあった。その後には知事が、日米首脳会談で台湾有事での軍事的関与を明言したバイデン米大統領の発言の真意を尋ね、委員が回答する場面があった。 県は本紙取材に、「雑談部分」は「バイデン氏発言に関するやりとり」との考えを示した。報道を控えるよう伝えたことは「予定外のやりとりで、委員も報道される前提で話しているか分からないため」とした。 報道を控えるよう通知した「雑談」に、県が「ゼレンスキー発言」を含んでいたのか、真意は不明だ。 ただ、取
1月27日未明に沖縄市の路上でバイクを運転していた男子高校生と巡回中だった男性巡査の持っていた警棒が接触し、高校生が重傷を負った事件で、当時バイクを運転していた高校生が今月20日までに本紙の取材に応じた。高校生は「早く解決して平穏な生活に戻りたい。将来も不安」と苦しい胸の内を明かし、SNSなどに投稿された匿名の誹謗(ひぼう)中傷には「思い出したくないから、見ないようにしている」と唇をかみしめた。(社会部・矢野悠希) 高校生によると、事件発生の前は友人らとコンビニの駐車場にいた。未明になって友人に荷物を渡そうとバイクを走らせた。速度は「体感で20~25キロくらい」。突然、路地の暗がりから1人の警察官が「スッ」と現れた。次の瞬間、「バキッ」という音とともに頭に衝撃が走った。 「警棒で殴られたのかな」。動揺して、そのままバイクでその場を離れた。次第に意識がもうろうとし、顔の右部分がじんわりとまひ
眞榮田先生には向陽高校で日本史を習った。難解な歴史を分かりやすく、そして覚えやすいキャッチーな言葉で丁寧に教えてくれる先生だった。後で知ったことだが先生の専門は日本史ではなく政経。「生徒と一緒に勉強しながら教えていたよ」と照れ隠しをするが、先生が相当な努力をして私たちに向き合っていたことは当時の私たちもよく知っていた。 そして先生は音楽(ロックンロール)をこよなく愛した。学園祭の後夜祭などでその腕前を披露してくれた。「俺は教師のロッカーじゃない。ロッカーの教師だ」との口癖を今でも覚えている。卒業後も先生とはいろいろな場所で会った。 本部町で社会人生活をスタートさせた頃、当時名護高校に勤務していた眞榮田先生とレンタルビデオ屋で会い、ホームシックもあって思わず涙を流したこと。FM沖縄に入ってしばらく経った頃、県庁記者クラブに顔を出した帰りに、今はなき地下1階の「南天」で食事をしているとポンっと
対潜水艦戦の訓練でヘリコプターが使われていたのは、潜水艦の探知は微弱なスクリュー音を探る以外に方法がないからだ。海中は電波が伝わりにくく、航空機を探知するようなレーダーは使えない。ヘリからつり下げたソナー(音波探知機)でスクリュー音を探り、潜水艦の位置を特定するには三角測量の技法が使われる。 今回の事故では、3機のSH60K哨戒ヘリがそれぞれのソナーで海中を探り、3機でつくった三角形の中に潜水艦を追い込んで位置をピンポイントで特定するための訓練だった。このうちの2機が空中で衝突した。 事故が起きた伊豆諸島の鳥島東方海域の天候は晴れ、満月の2日前に当たり、月明かりもあった。他機の接近を知らせる計器に加え、衝突防止灯もあるので目視でも互いの位置は確認できたはずだ。 しかし、夜間の事故は過去にも起きている。2021年7月、鹿児島県の奄美大島沖で夜間飛行中の哨戒ヘリ2機が接触した。うち1機は全地球
河野太郎沖縄担当相は13日、沖縄の日本復帰49年に関する本紙などのインタビューで、沖縄の子どもの貧困率が高い理由の一つとして「10代の妊娠率」の高さを挙げ、「若いうちの妊娠が引き金」「いかに若い人の妊娠率を下げるか」などと持論を展開した。沖縄の出生率の高さ自体は評価した一方、10代が多いことは「必ずしも褒められる話ではない」と主張した。 河野氏は母子世帯の多さにも言及。「沖縄は家族の支える力が強く、親族らの支援が手厚い部分があるかもしれないが、そこに甘えては駄目だ」とした。 「母子世帯の発生を抑える」ことも重視し「内閣府も県や市町村と協力し、前がかりにやっていく必要がある」と話した。 また、「出生率が高いのは良い話だと思う。明治時代とかだと10代のお母さんというのはいたのかもしれないが、責任を持って子育てできる世帯というのが大事だ」とも述べた。 子どもの貧困に関する発言の真意について、本紙
世界文化遺産の斎場御嶽(セーファウタキ・沖縄県南城市)内にある香炉1基が紛失し、別の石材に取り換えられていた問題で、与那原署は12日、沖縄市に住む自営業の男(42)を、窃盗容疑で那覇区検に書類送致した。 送検容疑は3月13日午前9時~午後6時の開館時間内に、香炉1基を盗んだ疑い。署によると、男は近くに落ちていた別の石を拾い、取り換えたという。 男は新聞などで報道があった4月6日、同署へ自首。動機について「『香炉を移すように』という声が聞こえた」と話した上で、「新聞報道を見て良心がとがめた」として、香炉を持って自首をしたという。翌7日、南城市へ香炉は返却された。 盗難に遭ったのは、斎場御嶽を象徴する三角岩の奥にある拝所。石の香炉15基が並ぶ「チョウノハナ」を成す1基がなくなり、その部分を埋め合わせるように別の石材2つが置かれていた。香炉は琉球王国時代に設置されたとされている。 3月26日夕に
自民党沖縄県連の最高顧問に就いた仲井真弘多元知事は、7日の県連新春の集いであいさつに立ち、「今沖縄は、オールなんとかという、えたいの知れない集団が牛耳っている」と玉城デニー知事率いる「オール沖縄」勢力を痛烈に批判した。県政奪還に向け重視する6月の県議選を前に、全面対決の姿勢を示した形だ。 仲井真氏は普天間飛行場の返還が実現していないことに触れ「翁長雄志氏、デニー氏は救いの手を差し伸べたか。何も解決しない県政には全く意味がない」と両知事を非難した。 名護市辺野古で政府が建設を進める基地には新機能は付加されないとの認識を示し、「新基地ではなく旧基地」だと揶揄(やゆ)。その上で「喜んで県民全員で普天間の危険性除去をしっかりと支援し、辺野古移設を推進しよう」と呼び掛けた。 さらに、普天間返還は基地の整理縮小につながるとし、辺野古新基地に反対する「オール沖縄」勢力を念頭に「空理空論、原理主義の思想、
玉城デニー沖縄県知事の尖閣諸島に関する発言で、石垣市議会が発言の撤回を求める抗議決議を可決したことに、玉城知事は17日、県庁で記者会見を開き、「尖閣諸島周辺海域が日本の領海ではない、との誤解を与えかねないものであり、尖閣諸島に関する私の認識とは異なるものである」と述べ、発言を撤回した。
1996年3月28日、日米合同委員会は嘉手納、普天間両基地の航空機騒音規制措置について、合意した。嘉手納基地では場周経路、訓練時間、エンジンテストなど騒音を軽減するための措置が列挙され、最後に「第18航空団司令官、その部下及び嘉手納飛行場を使用する飛行部隊司令官は、騒音問題及び規制措置について厳重な注意を払う」と明記されている。 ところが、その後、嘉手納町役場が行った行政区ごとの聞き取り調査では「たいへんうるさい」「うるさい」が9割を占めた。そして騒音によって「被害を受けている」と答えた人も9割に上り、合同委員会の合意次項が意味をなしていないことがわかる。 騒音の削減には在来機の飛行に注意を払うだけでは足りない。外来機を減らすことが不可欠であり、新たな常駐機を増やさないことが肝心である。 実際には昨年10月、8機の無人偵察機MQ9が無期限で配備され、今回、さらに期限付きとはいえ大型の無人偵
沖縄県宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、市上野野原の千代田カントリークラブ地区での駐屯地建設が始まって、20日で1年を迎える。反対を押し切って工事に着手した防衛省に、住民の諦めは募り、野原、千代田の両集落は今年になって方針を転換。配備を容認し地域活性化策を求めている。
今年9月での引退を表明している沖縄県出身人気歌手、安室奈美恵さん(40)に23日午後、県民栄誉賞が贈られた。県庁で開かれた表彰式で、翁長雄志知事から表彰状と記念品を受け取った安室さんは「名誉ある賞をいただき、とてもうれしく思っています」と喜び、声を詰まらせた。 1992年のデビュー以来約四半世紀にわたり、国内外の第一線で「平成の歌姫」として活躍してきた功績が評価された。知事室を訪れた安室さんはうすいベージュのブラウスとスカート、黒のリボンを首に巻いたシックなファッションでリラックスした雰囲気で表彰式に臨んだ。 翁長知事が「全国の若者が安室さんのファッションをまねる『アムラー』現象が起こり、若者のファッションリーダーとしても一時代を築かれました」と功績をたたえると、安室さんが感極まって涙を拭う場面もあった。 沖縄のファンに向け「沖縄は自分にとって落ち着ける場所。引退までの時間、一生懸命活動し
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