ブックマーク / www.style.fm (36)

  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    ミンキーモモの名前が決まった頃、芦田豊雄氏から、決定版ともいえるキャラクターデザインが届いた。 正直な話、はじめて見た時は、みんな、あっと驚いたと思う。 なにより髪形である。そして、髪の色がピンクなこと……。 芦田氏の説明によると、シルエットになった時、誰が見てもミンキーモモだと分かる事……どんな小さな子供が似顔絵を描いても、つまり誰が書いても髪がピンクならミンキーモモだと了解できるデザインを目指したという。 今では見慣れたミンキーモモだが、当時は、相当奇抜だったと思う。 誰かが、これで行こうよと言い出し、あまりびっくりしたのか、誰も異論をとなえる人がいなかった。 スポンサーからも異論がなかった。 今、思うと、スポンサーはミンキーモモ自身の人形化は考えてなかったのだ。 スポンサーの関心はミンキーモモが使う魔法の小道具の玩具化だった(もし、ミンキーモモの人形を考えていたら、フィギュアのない時

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    toronei 2013/02/03
  • WEBアニメスタイル_COLUMN アニメ様の七転八倒 第36回 エヴァ雑記「第参話 鳴らない、電話」

    第弐話に付いた第参話の予告も手厳しい。「新たな生活を、状況に流されるまま送るシンジに、友人が生まれるはずもなかった。だが、EVAのパイロットである事実は、彼を人気者にする。次回、鳴らない、電話。この次もサービスしちゃうわよ」。実際には、状況に流されていても友達ができる事はあるだろうが、敢えて「友人が生まれるはずもなかった」と云いきってしまうあたりが『エヴァ』の『エヴァ』たる由縁だ。 「第参話 鳴らない、電話」からシンジは新しい学校に通い始める。ここで鈴原トウジ、相田ケンスケ、委員長こと洞木ヒカリが初登場。普通の学園生活の描写があるためか、トウジとケンスケのキャラクター性ゆえか、第参話はどこか穏やかな空気が流れるエピソードだ。第壱話と第弐話の熱さに対して、平熱感覚が心地よい。第壱話と第弐話で戦闘が夜に行われたのに対して、第参話では青天の下で使徒と闘っている。それも第参話の爽やかな印象に寄与し

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    toronei 2012/11/24
  • WEBアニメスタイル_アニメの作画を語ろう

    小黒 なるほど。で、『イデオン』の29話「閃光の剣」のアディゴから、“板野サーカス”が始まったと言われていますが。 板野 はい。 小黒 ものすごいインパクトでしたよ。アディゴの動きはコンテでもあんなに? 板野 いや、コンテでは、あそこまではなかったんですよ。コンテでは何機かがミサイルに当たってやられて、1機ぐらい避けるという内容だったんです。それをロケット花火を思い出しながら描いて、ガンガン(カメラを)フォローさせて、ミサイルがまとわりつくように動かして──(バッフクランはイデオンと)重機動メカで戦って、敵わないから小さいメカを出してきたわけですよ。ちっちゃいから、それだけ速くてミサイルを避けるだろうと考えて。雑魚でも「死に花を咲かす」というところを出したかった。顔が出ないパイロットでも、やられメカでも、そういう粘り強さとかがあると、真剣に戦いながらもやられたというニュアンスが出る、それが

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    toronei 2012/07/12
  • WEBアニメスタイル | アニメーション思い出がたり[五味洋子] その122 フィルムはなぜ?——杉本コレクションの行方

    長い転勤生活の間にはいくつもの悲しい別れがありました。それぞれに冥福を祈る中で今も心に翳りを残すのは杉五郎さんのことです。 杉さんについては連載第100回でも書きましたので重複は避け、ここでは日一の質量と言われた杉さんのフィルムコレクションのその後について書きます。 生前の杉さんは私たちアニメファンには惜しみなくそのフィルムを無償で貸与、あるいは自ら映写機を回して見せてくださいましたが、その生計はTV局や映像制作会社に記録フィルム等を貸し出した料金で立てられていました。それが大日フィルムという会社です。杉さんの死後は、長く助手を務めてこられた金子啓次さんが管理していましたが、やがてその金子さんも亡くなり、杉さんのフィルムコレクションが遺されました。 誰もがフィルムのその後を案じていた中で不可解なことが起こり始めました。私が初めて目にしたのはNHKの番組のEDでした。後継者の

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    toronei 2011/12/20
  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第407回 データ原口

    アニメージュ編集部では、編集者にもライターにもユニークな人が大勢いた。僕にユニークだなんて言われたくないかもしれないが、そんな印象だった。際立って個性的だったのが、データ原口こと原口正宏さんだった。アニメ雑誌で仕事をしている人で、僕が「この人には絶対かなわないなあ」と思った相手は、後にも先にも彼だけかもしれない。 当時から現在に至るまで、日の全商業アニメの放映&スタッフデータをまとめている人物だ。人気作品や好きな作品だけでなく、全てのTVアニメ、劇場アニメ、OVAのデータを記録しているのだ。全テロップをテキスト化し、オープニングやエンディング、アイキャッチ等の変更もチェック。遡って過去の作品もデータ化している。言葉にすると簡単なようだが、大変な作業量だ。 日のアニメデータに関して、原口さんに匹敵する情報量を持つ組織は他にはないし、彼ほどの精度でデータをまとめているアニメ研究家もいない。

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    toronei 2011/09/20
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    「第拾壱話 静止した闇の中で」は、第3新東京市の大停電を背景にしたユーモラスな部分の多いエピソード。ネルフメンバーの洗濯、通勤という日常的な描写もあり、オペレーター3人組もちょっと存在感を出している。マヤの「不潔……」の台詞もこの回だ。部へ向かうシンジ、アスカ、レイの3人の凸凹トリオぶりも愉しい。勿論、最大の笑いどころはAパート最後だ。リツコとマヤは停電で生じた暑さを団扇でしのぎ、そして、ゲンドウと冬月は? リツコ達からは見えないが、彼等は水の入ったバケツに足を入れて涼んでいたのだ。「ぬるいな」「ああ」。ゲンドウと冬月を使った唯一のギャグである。シリーズを最後まで観て、人類補完計画を進めるゲンドウの真意や冬月との関係等を知ってから、この場面を再見すると、また味わい深い。 原画はスタジオジブリが担当。劇中に登場する市議選立候補者の高橋覗は、当時のジブリプロデューサー、高橋望を捩ったネーミン

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    toronei 2011/06/11
  • WEBアニメスタイル | もっとアニメを観よう2011 第25回 上江洲誠が選んだ「僕の10代を彩ったOVA達10本」

    第25回 上江洲誠が選んだ 「僕の10代を彩ったOVA達10」 今、僕は30代。 かつて、10代の頃の僕を熱狂させたOVA群から10をセレクトして紹介したいと思います。 今に至る僕を形作った劇薬です。 その頃の僕の月の小遣いは1000〜2000円ぐらい。新作ビデオのレンタル料は1泊2日で800円! そこで裏技。当日返却を使うと500円。……それでも小・中学生には厳しい! そんな中、なんとかやりくりをして観倒した愛おしいOVA達。 中には、実は不出来だったりした物もありました。有料だというのにダメな物はダメなんだという現実も思い知りました。スタッフや制作会社によってムラもありました。そうやって子供心に僕は「アニメを知って」いったのです。ただ無邪気に楽しむ事を卒業してしまい、修羅の道へ。 ええ、ちゃんと今も修羅道におりますよ。 ●『破邪大星 彈劾凰』(1987) 何よりも真っ先に思いつきま

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    toronei 2011/01/27
  • WEBアニメスタイル | ニュースで振り返るアニメ界2010 新しい動きと悲しい知らせに揺れた年

    今年の更新もこれで最後。振り返ってみると、様々なニュースに揺れた1年だった。 停滞する経済状況の中、アニメもまた以前のような好況を謳歌するわけにはいかなくなっている。そんな中でも、「アニメノチカラ」のような果敢な試み、『けいおん!!』『デュラララ!!』のようなヒット作、『おまえうまそうだな』のような佳品など、これからを期待させる動きがいくつかあった。小規模公開での劇場作品が次々現れ、またOVAの先行イベント上映など、従来の公開形態とは異なる道を模索する動きも多く現れている。 一方、大きな訃報に揺れた年でもあった。ベテランから中堅まで、多くの名のある方々が、この世を去られている。中でも今 敏監督の死は、次回作の制作途上ということもあり、衝撃を持って伝えられた。また、『宇宙戦艦ヤマト』で一時代を築いた西崎義展プロデューサーの訃報も、昨年は『復活篇』を公開し、健在ぶりをアピールしていただけに驚き

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    toronei 2010/12/31
  • 第201回 ごめんなさい。忘れてた。カスミのこと - WEBアニメスタイル_COLUMN

    『ルギア爆誕』で、ロケット団トリオを際立たせるためには、出番の少ない他の登場人物もそれぞれの自分らしさをしっかり描かなければならない。 準備は整った気がしたが、念には念を入れようと、もう一度、登場人物たちを見直してみた。 結果、重要な登場人物の描き方が弱いことに気がつき、いささかあわてた。 それはサトシとともに旅をしている主役クラスのカスミだった。 なぜ、カスミは、主人公サトシとともに旅をしているのか。以前も書いたが、カスミの台詞に「私の行きたいところにたまたまサトシがいるだけ」という答えがある。『ルギア爆誕』のゲスト、フルーラから挑発的に「あなた、サトシのガールフレンドなの? 趣味悪いわね」という意味の台詞――これは、『ルギア爆誕』におけるカスミという存在への挑発でもある――への、いわば、売り言葉に買い言葉的な台詞である。 「私の行きたいところにたまたまサトシがいるだけ」という台詞の裏に

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    toronei 2010/11/04
  • WEBアニメスタイル | 【アニメスタイル特報部】『カラフル』原恵一監督インタビュー 第1回 この原作なら自分に向いている、と思った

    【アニメスタイル特報部】『カラフル』原恵一監督インタビュー 第1回 この原作なら自分に向いている、と思った 現在公開中の原恵一監督作品『カラフル』。死んだはずの「ぼく」の魂が、自殺を図った少年・小林真の体にホームステイする事になり、家族、友人、そして自分自身の生に対して向き合っていく事になるという物語だ。すでに劇場でご覧になった方も多いだろう。 原恵一監督は派手な演出を極力排し、淡々とした語り口で日常描写を積み重ねながら、生きる事の痛みと喜びという普遍的なテーマを、ドラマチックに浮き彫りにしていく。おそらく映画を観た人のほとんどが、家族との関わり、近しい人との繋がり、そして自分自身の生き方について省みずにはいられないのではないだろうか。 アニメスタイル編集部では、映画の公開前日に原監督にインタビューを行い、お話をうかがってきた。全4回に分けて、その内容をお届けする。『カラフル』を未見の方も

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    toronei 2010/10/01
  • WEBアニメスタイル | β運動の岸辺で[片渕須直]第47回 宅急便の宅送便「次は自分たちで、ね」

    当時、ジブリの所属でもなんでもないアニメージュ編集部の鈴木敏夫さんが、実質的なプロデューサーとして、宮崎さんがこちらの現場方面に介入してくるのを防ぐため、色々手を尽くしてくれていたのだが、最終的にここがスポンサー乗りしなければこの企画は成立しないことになるという立場の企業の方から、 「当方としては『宮崎駿監督作品』としてのもの以外に出資するつもりはない」 と、実にはっきりしたことを、冗談のひとつも交えず、やけに硬直した面持ちでいわれてしまったことがあり、せっかくネクタイのひとつも締めて新橋まで出かけたこちらも困ったが、鈴木さんと相談してここはこちらから身を引くカタチをとることにした。 当時、メインキャラクターのデザイン、パン屋の美術設定などくらいまでができていたところだった。宮崎さんはキキのキャラクターを『トトロ』のメイのような(あるいは後年の千尋みたいな)はっちゃけた感じにしろといってい

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    toronei 2010/09/22
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    『さすがの猿飛』は、番外編の他の編の方も、原作の数が少なかったため、すぐに原作を追い越し、オリジナルの展開になっていった。 ヒロインの魔子の母親が登場し、原作の母親とは、違う設定になった。 その他の、原作に登場した人物も、ほとんどといっていいほど、原作のコミックとは変わっていってしまった。 立派だったのは原作者の細野不二彦氏で、どんどん原作より先に先行していくアニメに惑わされる事なく、アニメとは違う原作独自のストーリーを、コミックで展開し続けた事である。 アニメの方が、原作を消化し尽くして、先行した場合、時々起こるのが、原作のコミックの方が、アニメのストーリーを追いかけて、アニメの展開を漫画化してしまう時がある。 こうなると、アニメとコミックのどちらが原作か分からなくなって、漫画家とアニメ・スタッフの間でトラブルが起こるのである。 つまり、先行するアニメどおりのストーリーのコミックを書

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    toronei 2010/04/09
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    さて、46話「夢のフェナリナーサ」の話である。 最終回になる予定の作品だ。 脚では題名は「ある日突然に」となっている。 ペンダントを失ったミンキーモモには、平凡な日々が待っている。 その平凡な一日が、前半に描かれる。 そして、突然、玩具屋のトラックに轢かれる。 ここまでの展開は、脚とは意味は同じでも、作品の描写がかなり違っているのに気がつかれるだろう。 脚では、描ききれない部分をミンキーモモのモノローグで語っているが、演出は、それを排除して、できるだけ映像で見せようとしている。 平凡な一日を、作画スタッフ一同が、一生懸命、描いてくれている。 とくに、ミンキーモモが、パジャマからおなじみの服に着替えるシーンは、原画を担当したわたなべひろし氏の力作で、着替えのシーンだけで、アニメが1作れると冗談を言われるほど、枚数を使ったらしい。 特に、前半は、演出と絵コンテの勝利である。 アフレコに

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    toronei 2009/07/20
    すっげえ自己批評。
  • WEBアニメスタイル : アニメの作画を語ろう 湖川友謙

    『伝説巨神イデオン』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』等で、湖川友謙が手がけたキャラクターデザインは、アニメファンに強烈なインパクトを与えた。そのアニメーションのスタイルはかつてないほどにリアル。シャープで、魅力的なものだった。彼の仕事は、独自の理論に支えられたものであり、影響を受けたクリエイターは数知れない。アニメのビジュアルを、一段階ステップアップさせたと言っても大袈裟ではないかもしれない。 僕らにもうかがいたい事が沢山あり、湖川さんも熱心に話してくださり、結果、取材は8時間におよぶ大ボリュームのものとなった。内容は彼の技術論、代表作のひとつである『さらば宇宙戦艦ヤマト ─愛の戦士たち─』、富野由悠季監督と組んだ一連の作品についてが中心である。なお、今回の取材にあたってリスト制作委員会の原口正宏に、フィルモグラフィーの作成を依頼。取材にも同席し、主にデータ面のフォローをしても

    WEBアニメスタイル : アニメの作画を語ろう 湖川友謙
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    toronei 2009/05/29
  • WEBアニメスタイル_もっとアニメを見よう - 神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」

    ―― 編集部からのオーダーは「アニメ業界で働きたいと思っている人に観てもらいたい20」だったんですが、実際にはどんなかたちで選んでいただけたんでしょうか。 神山 僕なりに、その趣旨に沿って選択したつもりではあります。最近よく、アニメーションについての文脈が寸断されたと言われるんですよ。日が(映画産業として)アニメを作るようになって、もう45年くらい経つんですよね。だけど、アニメ史みたいなものって、教科書になっているわけでもない。どんなふうにアニメが作られてきたのかという文脈が、僕らの次の世代では寸断されているらしい。自分が観ているものが何かのコピーだという事すら知らないというような世代が現れている。そういった話をあちらこちらから聞くんです。僕もそんなに古いものは知らないけど、僕らの世代と新しい人達を繋げるようなタイトル選んでみました。それから、作画の方は異論はあるかもしれないけれども、

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    toronei 2009/04/13
    というか他の人が気取り過ぎな選択だと思った。つーか神山さん評論家としても素晴らしすぎる。I.G.のアニメはちっとも面白いと思えないんだけど(笑)。
  • WEBアニメスタイル_TOPICS

    今年6月に設立された、日アニメーター・演出協会、略称JAnicA(ジャニカ)。スタジオライブ社長の芦田豊雄さんをはじめ、アニメ界のベテランの方々が中心となって活動している「アニメーターと演出家の生活向上」を主な目的とした団体だ。世話人を務める芦田さんに、JAnicA設立のきっかけや今後の展望などについて、お話をうかがってきた。 ●PROFILE 芦田豊雄(ASHIDA TOYOO) 1944年東京生まれ。TCJ(現・エイケン)でアニメーターとしての活動を始め、虫プロを経て、フリーに。その後、1976年にスタジオライブを設立し、現在に至る。主な代表作は、キャラクターデザインを務めた『UFO戦士ダイアポロン』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『銀河漂流バイファム』『魔神英雄伝説ワタル』、シリーズディレクターを務めた『北斗の拳』、監督作品の『VAMPIRE HUNTER D[1985年版]』『

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    toronei 2007/10/19