ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (20)

  • 大好きなマンガが完結したので全力でお勧めする『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』(ネタバレ無し)

    このマンガは、同級生のお尻を見てたら、ひっぱたかれるところから始まる。 ……このシーンは、主人公の実(みのる)の目線ではない。お尻を見てたのは亡き父で、その記憶が、折に触れて、実の脳内に蘇るのだ。 お尻の持ち主は、若かりし頃のお母さん(旧姓:大蜘蛛ちゃん)。つまり、母に一途な父の目線でもって、「女子高生のお母さん」の記憶が、息子にフラッシュバックされる。 そして厄介なのは、実は、お母さんに恋をしてしまっていること。女子高生のお母さん(細身で強気)と、今のお母さん(むっちり無防備)に煩悶する、マザコンラブコメ。 「お母さんに恋してる」なんて、ちょっとヤバくね? その自覚はある。だから実は自問する。 だけど、お母さんとの日常に、父の過去の記憶が入ってくると、女子高生のお母さんの可愛いさに撃たれる。そして、(ここ重要)父がどれほど母を好きだったか、ということを、父の目線で思い知る。だから実は煩悶

    大好きなマンガが完結したので全力でお勧めする『大蜘蛛ちゃんフラッシュバック』(ネタバレ無し)
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    toronei 2020/08/24
  • 健康ディストピア

    「健康は義務です、不健康は犯罪です」とアナウンスしながらドローンが行き交い、市民の健康係数を測定する。サーモグラフィで自動測定し、体温が高いと「風邪で休まないのは犯罪です」と勧告する。 健康係数が良いなら、健常者と判定され、執行対象にはならない。 しかし、規定値を下回ると、潜在的な不健康者として判定され、様々な制限が加えられる。事制限や運動が義務化され、タバコ等の嗜好品が限定されたり、保険金の割引オプションが利かなくなる。 さらに悪くなると、当人の健康状態が周囲への悪影響を及ぼす潜在感染犯と判断され、執行対象となる。マスクと手袋の着用が強制され、守らない場合は捕縛され、厚生施設でセラピーが施される…… ……という物語を思い浮かべたのは、御田寺圭さんの「コロナ後の世界」に忍び寄る「健康・健全ディストピア」を読んだから。コロナ禍の先、社会保障や医療リソースが制限され、健康であることがルール化

    健康ディストピア
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    toronei 2020/04/21
  • ボランティア奴隷は作れる『自発的隷従論』

    習慣化された奴隷は、自ら支配されたがると喝破した小論。ボランティア奴隷の作り方も書いてあるのでJOCや為政者は必携やね。 著者はエティエンヌ・ド・ラ・ボエシ、モンテーニュの無二の親友だったという。500年前の文章なのに、いま見てきたように生々しい。というのも、いまの日の政権や2020オリンピックのボランティア奴隷のみならず、君主制、民主制、共和制、独裁制どれにでも当てはまる。なぜなら、焦点が当たっているのは、政治制度ではなく、その下で積極的に奴隷になる民衆たちだから。 著者はいう、民衆自身が、抑圧されるがままになっているどころか、あえて自らを抑圧させているのが現実になる。隷従をやめるだけで圧政者は屈するのに、わざわざ悲惨な状況を求め、軛を差し出しているという。そして、身にまとう軛を自慢し、父祖からそうしてきたことを誇る、いわゆる「奴隷の鎖自慢」をするのは、なぜかと問いかける。 そして、2

    ボランティア奴隷は作れる『自発的隷従論』
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    toronei 2018/09/02
  • 『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子)は、娘の幸せを願う全ての親に伝えたい

    これは重要な一冊。これを娘に伝えられるかどうかが、娘の幸せを左右することだから。年頃の娘を持つ全ての親に渡したい。 中身はいつものサイバラ節と、ちと違う。「母」という立場から反抗期の娘に宛てた手紙のような、それまでの半生を振り返って「いろいろあった」とつぶやくようなエッセイなり。さらりと書いてあるくせに、幸せの勘所というか、不幸を避ける考え方のようなものがきっちりとまとめられている。 過去作を読んできた方には、目新しいものはないかもしれぬ。だがこれは、西原理恵子が伝えてきた「金の話」「男との関係」「幸せへの近づき方」の、いわばエッセンスを凝縮したものになる。一番重要なところを引用する。 大事なのは、自分の幸せを人任せにしないこと。そのためには、ちゃんと自分で稼げるようになること。 そのために、最低限の学歴は確保する。できれば、資格もとって、スキルアップしておく。結婚するときは、夫に内緒の貯

    『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(西原理恵子)は、娘の幸せを願う全ての親に伝えたい
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    toronei 2017/06/18
  • エッチする直前こそが人生だ『初情事まであと1時間』

    タイトルまんま「初エッチするまであと1時間」のカップルを描いた、シチュエーション恋愛オムニバス。ニヤニヤが止まらないまま進んでいくと、初々しさにほっこりしたり、健気さにほろりときたり、切なさに撃ち抜かれたり。 あくまでも、エッチするまでの1時間なので、性行為そのものは描いてない。「あと50分」「あと31分」といったカウントダウン的なナレーションが入るが、「スタート!」以降は「ご想像にお任せします」状態となる。だから表紙に「成人向け」マークは入っていないのだが……のだが、これが読むほうにとってはとってもドキドキもの。 なぜなら理由は2つある。 一つは、典型的な「やれる」パターンの場合。「両親が旅行の彼女の家に招かれました」など、リビドー全開のシチュエーション。にもかかわらず、二転三転する様がワクワクを加速させる。もう一つは、どう考えても「やれない」パターン。こじらせ処女、腐らせ童貞、生命の危

    エッチする直前こそが人生だ『初情事まであと1時間』
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    toronei 2017/06/12
  • 最も信頼できるのはブッカー賞『世界の8大文学賞』

    ノーベル文学賞や芥川賞、ブッカー賞などの受賞作品から「これは!」というものを選び、作家や翻訳家、書評家が全部読んだ上で実現した鼎談。おかげで積読山がさらに高くなる一方、わたしの偏見が解消された。 というのも、常々思っていた「芥川賞って新人賞なのに勘違いしている人いる?」が喝破されてたから。日最高の文学賞みたいに考えてる粗忽者は少なからずいる(ただし、これ読んでる人は該当しないはず)。だが、芸術性の高い作品に与えられる賞だと考えていると、書で足元をすくわれる。最近の傾向は変わってきているようだ。 普通なら、芥川賞は芸術性、直木賞はエンタメだと考えがちだが、東山彰良『流』をぶつけてくる。これは日語で書かれてはいるけれど、日になじみのない世界が描かれている。中国語を使ってポリフォニックな雰囲気を演出しつつ、言語的越境のような冒険が試みられているらしい。そういうものが平気な顔をして受賞して

    最も信頼できるのはブッカー賞『世界の8大文学賞』
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    toronei 2016/11/22
  • なぜ『この世界の片隅に』を観てほしいのか

    来た。観た。良かった。 封切り直後の映画館は、半分くらい埋まっており、それが多いのか少ないのか分からなかった。可笑しいシーンでは笑い声が場内を満たし、一杯になった胸から心が溢れだす場面では嗚咽が交じる。明るくなると拍手が沸きあがり、観た人みんな良かったと思っているんだなぁと分かる。 結論から言うと、すばらしい映画なので、たくさんの人に観てほしい。できれば、大切な人と一緒に観てほしい。 小学校高学年の娘を連れて行った。『君の名は。』『聲の形』と、今年はアニメ映画の当たり年で、どれも劇場で観てよかったねと話してたので、否でも応でも期待は高まっていた。『君の名は。』とは異なり、中高年ばかりの客層に少し驚く。「アニメは子供のもの」なんて時代もあったね(ジブリのおかげ)。 あの原作のあの絵が動く、というだけで嬉しいと思ったのは最初だけで、あとは夢中で観てて、気づいたら終わってた。冗長な描写は1秒たり

    なぜ『この世界の片隅に』を観てほしいのか
    toronei
    toronei 2016/11/15
  • ファンタジーだった『聲の形』

    映画観てきた。これは素晴らしいファンタジーだ。 『聲の形』は、『シン・ゴジラ』『君の名は。』よりも、荒唐無稽だった。前者は「ゴジラ」、後者は「入れ替え」が虚構だが、『聲の形』の"ありえなさ"は、ほぼ全編にわたる。いじめの描写が辛すぎて、原作は1巻しか読んでいない。そのため、この感想は的外れかもしれない。だが、このモヤモヤを溜めると体に悪いので吐き出す。 『聲の形』は、聴覚障碍者の女の子と、彼女をいじめる主人公とのボーイ・ミーツ・ガールの話だ。彼はいじめたことを後悔し、暗転した人生を送るわけなのだが、数年の時を経て、再び彼女に会いに行く。彼の救われなさが、「×印を付けられた他者」や「水底からのような音声」に表象されており、要所で主観世界がドラスティックに変化するアニメ的な仕掛けは良くできている。特に、「その音を感じているのはどのキャラクターか」によって、わたしの「聴こえ」を使い分けているのが

    ファンタジーだった『聲の形』
    toronei
    toronei 2016/09/20
    『聲の形』は最初の短編が載ったころと同じような感じになってるな。
  • 「NEW GAME!」の涼風青葉は何を読んでいるのか?

    「NEW GAME!」いいよね。ゲーム会社で頑張る女の子を描いたコミック&アニメは、痛勤電車と朝残業で消耗したおっさんを癒してくれる。 主人公は涼風青葉18歳、上司も同僚もかわいい女の子で、画面から男臭を抹消しているサービス精神もいい。来は「おっさんが作っておっさんが消費する」のだから、男が出てこないファンタジーなのは合点承知だ。しかし、「激務すぎて疲労のあまり、おっさんが互いを美少女としてしか認識できなくなった」説を見かけてしまい、以後そのような目が混じるようになった自分が情けない。そして今回は、それを補強するような記事になってしまって申し訳ない。 なぜなら、これから彼女たちが何を読んでいるかを紹介するから。青葉の職場はブースによって仕切られており、各人の席には様々なやオブジェが並んでいる。そういう背景から彼女たちの趣味を想像するのは愉しい。特に好きなのは、仕事上の資料を除いた個人の

    「NEW GAME!」の涼風青葉は何を読んでいるのか?
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    toronei 2016/08/19
  • 「シン・ゴジラ」を観て震えた人に、『日本沈没』を勧めたい

    「シン・ゴジラ」すごかった。とんでもないものを観てしまった感がいっぱいで、その日なにも手につかなかった。ネタバレせずに感想を言うのはほぼ不可能だし、すでに多くの毀誉褒貶が出回っているので、ここでは、観た人向けに『日沈没』を勧める。 未曾有の事態が起きたとき、日人はどうするか? というのがテーマだ。日列島に恐るべき異変が起きると分かったとき、政府はどう準備・対応するか、国民はどう反応するか、群発地震や火砕流に自衛隊や米軍はどのように動くか……といった災害モノの俯瞰カメラから、家族や恋人とのドラマや絆に単焦点を合わせた物語を織り込む。翻ってさらに巨視的に、日海溝から地上1000mの視線を駆使して、日を巨大な竜の断末魔にたとえた地質学的考察を語る。政治的駆け引きや世界経済への波及、軍事バランスの変動から地政学的な平衡関係が崩れた後まで、「物理的に日をなくす」シミュレートを、徹底的にし

    「シン・ゴジラ」を観て震えた人に、『日本沈没』を勧めたい
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    toronei 2016/08/18
  • コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』

    「嘘つきは経済学者の始まり」という諺があるが、コンサルタントも入れるべき。 中の人として働いたことがあるので、その手法は分かってる(まとめ:[そろそろコンサルタントについて一言いっておくか])。だから書は、徹頭徹尾、黒い笑いが止まらない。騙される幹部が悪いのだが、振り回される社員はたまったものではない。ファームであれジコケーハツであれ、理論武装を「外」に求める人は、予習しておこう。あるいは、コンサルティングを「説得の技術」と捉え、逆にそこから学ぼう。 書は、マジシャンが種明かしするようなもの。コンサルタントの方法論である「適応戦略」や「最適化プロセス」「業績管理システム」は、役に立たないどころか、悪影響にもなると暴きたてる。著者は経営コンサル業界で30年も働いて、いいかげんこの「お芝居」にウンザリして、懺悔の名を借りた曝露を出したという。その具体例が生々しい&おぞましい&あるある。

    コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』
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    toronei 2014/04/24
  • 『影武者徳川家康』はスゴ本

    痛勤ラッシュの現実逃避タイムが、これほど楽しみだったことはない。六百頁、全三巻とあるが、読み干すのがもったいなく、惜しむように(でもページを繰る手ももどかしく)どっぷり漬かる。沢山の方からの「読めゼッタイ」というプッシュは真実なり、感謝・感謝。 映画やドラマで、よくあるでしょ?ラストのどんでん返し。最後の土壇場になって、そこに至るもろもろの謎を解き、伏線を回収し、かつ、世界を一変させてしまうやつ。善玉だと思ってたら実は張人だったというファイナルストライク。隆慶一郎がすごいのは、これを一行目からやったこと。 つまりこうだ。徳川家康がどんな人物で、何を成したかは、史実として「確定」している。これを、冒頭でひっくり返して、ひっくり返した「史観」でもって、もろもろの謎を解き、伏線を回収し、かつ世界を一変させてしまったから。 答えはタイトルにある。家康は関ヶ原で殺され、残りの「家康」を影武者が成り

    『影武者徳川家康』はスゴ本
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    toronei 2012/12/04
  • 『昭和史』はスゴ本

    の現代史の決定版。 過去を見ると未来が見える。質的に変わっていない日がある。むしろ、変わらない質が得られる、というべきか。波乱と躍動に満ちた昭和は、ドラマよりもドラマチックで、おもしろい。 維新だ改革だと、やたら変化が叫ばれている。ニッポンの上っ面はめまぐるしく、スローガンとキャッチコピーはどんどん入れ替えられる。だが、質はこれっぽっちも変わっていない。昭和と平成を比べると、同じ問題に同じ応対をしている。その学習能力のなさは、悲しいぐらい変わっていない。翻ると、未来を考える上で非常に示唆に富むといえる。 まず、不況時の国民に選ばれたカリスマは、スタンドプレーな外交で国際関係に危機をもたらすだろう(マスコミが煽ったら戦争になる)。これは、未来に起きる昭和の話だ。アメリカ相手に強気一辺倒で、三国同盟を結んできた外相・松岡洋右のことだ。マスコミはこぞってヒーロー扱いしていたが、まさか

    『昭和史』はスゴ本
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    toronei 2012/11/16
  • リアル懐古主義「四丁目の夕日」

    昔を美化して懐かしむのは勝手だ。脳内妄想タレ流し与太は馬鹿の特権だから。だが、「だから今はダメだ」の偽証拠にしたり、嘘目標にするのは、馬鹿を通り越して犯罪だ。レトリックに騙されないために、「四丁目の夕日」を思いだそう。 「走る凶器」という言葉を思いだそう。ピーク時は年間一万六千人が交通事故で命を失い、交通戦争という名にふさわしい時代だった。車の残骸とアスファルトの黒い染みの写真が社会面を飾っていた。「登下校の集団に突っ込む」「轢いたことに気づかず走行」「反対車線に飛び出し正面衝突」は、今だと華々しく全国ニュースになるが、当時は日常茶飯事だったことを思いだそう。 「四大公害病」、覚えているよね。あの頃は、土も水も空気も汚染されていた。どれも悪質で悲惨な「公的犯罪」だったが、当初は「ただちに影響はない」と切り捨てられていた。鮮明に覚えているのは、泡立つ多摩川のヘドロと畸形魚。今と比べると、同じ

    リアル懐古主義「四丁目の夕日」
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    toronei 2012/07/30
    「三丁目の夕日」も初期はわりかしこういう話が入ってはいたんだけどなあ。
  • 「STEINS;GATE」がスゴい

    涙腺弱いんよ、エエトシこいたオッサンなのに。痛勤電車でプレイしたのが失敗だった。もうね、後半ぼろぼろなんよ、涙が止まらない。バカじゃないですか、オッサンが朝から泣いてるんよ、PSP握り締めて、満員電車で。周囲はさぞかしキモかったことだろう。 前半コメディ、後半シリアス、終盤ドラマティック、急展開するラストに吸い込まれるように読む。すべての伏線が収束する快感に、感情を焼き尽くされる。どんなに足掻いても運命からは逃れられない"あきらめ"に似た感覚を原体験させられる。犯した過ちを「なかったこと」にしてはいけない、「意味なんてない」ことなんて無いんだと叫びたくなる。「失敗も含めて今の自分がある」―――陳腐なセリフが、妙にリアルに後を引く。 現代科学をベースとしたSF「想定科学」の設定にしっかりとバインドされたストーリーは中毒性がある。PSPでプレイするノベルゲームなので、読む・聴く・感じるを一体化

    「STEINS;GATE」がスゴい
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    toronei 2012/06/16
  • ビブリオバトル@紀伊国屋書店顛末記

    オススメを紹介しあい、「チャンプ」を決めるビブリオバトル。6/26に行ってきた→惨敗だった。まずは敗因分析をレポートし、ビブリオバトルの傾向と対策を分析しよう。そしてチャンプや印象に残ったを紹介しよう。まずは参戦したの山をご覧あれ。 参戦者の持ち時間は5分。観覧者に向かってオススメを一冊プレゼン+質疑応答する。一巡したら、最後に挙手で多数決を採るシステム。わたしは第一ゲームの最初の発表者で、持ってきたのは永江朗の「の現場」。けして他の参戦者のと遜色ない(というか、ダントツでスゴ)、さらに「スゴ知ってる人います?」と聞いたら、かなりの人が反応したので、こりゃイケると思いきや、得票は最低。読書意識が高く、が好きなら必ずいつくネタなのにーというわたしの思いは空回り。 なぜ、わたしのプレゼンは最低だったか? それは、「読みたくなった」を選んでもらう場だから。をダシに自分語

    ビブリオバトル@紀伊国屋書店顛末記
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    toronei 2011/06/29
  • わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

    それは記録。 背中が痛いと訴えてくる息子を裸にしたところ、広範囲に内出血跡を見つける。詳細は省くが、殴られたらしい。「すわイジメ」と気負いたつのではなく、ゆっくりと子どもの話を聞く。度を越した悪ふざけなのか、陰湿なやつなのか見きわめがつかないし、子どもの話なので一貫性が見出しにくい。 まず、子どもの話を遮ることなく最後まで聞く。たずねるニュアンスの「訊く」のではなく受け入れるように「聞く」。そいつを逐一記録する。客観的に述べるのは難しいだろう(大人だってそうだ)、だから矛盾点には目をつぶり、ありのまま記録してゆく。ついでに写真も撮っておく。トラブルが大きくなり、収拾がつかなくなってからではなく、(たとえ一面からでもそれを自覚しつつ)子どもからヒアリングを続ける。 次に、「親は味方だ」というメッセージを伝える。独りで抱え込むなという。どうしても言いたくないのであれば、無理に聞くことはない。親

    わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと
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    toronei 2010/11/26
  • 神話に一撃!「日本人のしつけは衰退したか」

    家庭の教育力は低下している。そのため、青少年の凶悪犯罪が増加している。だから、家庭の教育力を高めることが、最も求められている。 ホントだろうか? あるいは、「昔は家庭のしつけが厳しかった」とか、「最近はしつけに無関心な親が増えており、しつけは学校まかせ」といったイメージは、無条件に受け入れられているが、事実なのだろうか? リカセンセやウチダセンセあたりが放言してそな言説に、真ッ向から取り組んだのが書。センセやマスコミが「常識」レベルで扱っている「家庭の教育力の低下」に思いっきりメスを入れる。「そもそも『教育力』って具体的に何?」からはじめ、戦前~現在にいたる文献・調査報告を集め、「しつけ」を立体的に解き明かす。 ■ 「しつけ」の歴史的検証 書のメインテーマは、「しつけ」の歴史的検証。こんなカンジで展開する。 ――もともと日の伝統的な子供観は、「子供は自然に大きくなって一人前になるもの

    神話に一撃!「日本人のしつけは衰退したか」
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    toronei 2008/05/19
  • 「石の花」はスゴ本

    久々に徹マンした。これほどの濃度をもつ漫画は珍しい。「アドルフに告ぐ」級の傑作。 1941年、ナチスによって寸断されたユーゴスラビアを舞台に、戦乱に巻き込まれてゆく少年を軸にした群像劇。アウシュビッツ収容所で、レジスタンスの戦場で、二重三重スパイの現場で、極限状況にありながら理想を求める生き様が生々しく描かれる。 最初に釘刺しておく。読者がいちばん不満に思うのは、何らかのカタルシスが得られないだろう。というのも、善悪正邪の構図に片付かないからだ。悲痛な叫びもドス黒い血潮も、何も贖うことなく話は進む。 もしも、単純に「ナチス=悪」を討つといったハリウッド的展開であれば、もっと分かりやすかったかもしれない。「『地獄の黙示録』を凌駕する山岳戦」といった惹句があるが、そういう見所はたっぷりあるからね。大義名分は決まっているので、戦争活劇のフレームに押し込んでしまうこともできる。 しかし、7つの国境

    「石の花」はスゴ本
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    toronei 2008/05/12
  • なぜ最近の老人はキレやすいのか?

    キレやすくなっているのは老人であり、若者ではない。 もう一度いう、大人として成熟できず、我慢のなんたるかを知らず、ついカッとなって暴走するのは、20代ではなく、60代以上の年齢層において激増している。このエントリでは、事象の裏づけと、なぜ最近の高齢者がキレやすくなっているかについて考察する。なお、「高齢者」「老人」とは、60歳以上の日男女を指している。 最初に断っておくが、安易な結論「高齢化社会になったから」ではない。確かに高齢者は増えているが、老人の犯罪者はそれをはるかに上回るスピードで蔓延っている。もっとも、老人が老人に襲い掛かる老老犯罪が増えている文脈で「高齢化社会」を語るならまだ分かる。しかし、そもそもキレやすい老人が増えている事実を糊塗して「高齢化社会になったから」と、したり顔で全部説明した気になっているマスコミ、コメンテーター逝ってよし! 目次は次のとおり、長いデ。 激増す

    なぜ最近の老人はキレやすいのか?
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    toronei 2008/04/24
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