なんとも言えない存在感の薄い政治と、すでに見飽きた小泉政治。自民党対民主党という大枠「保守」の共存構造が生んだ永田町の状況は、「政権交代」という言葉も色あせるほどにつかみ所がない。 こうした「変わらない政治」に不満を持ち、苛立ちを募らせている人々が確実に増えている。「小泉人気」「石原人気」も既成秩序に対する破壊的挑戦者という雰囲気が「反自民」の人々までも味方につけた。 しかし、結局のところ自民党に出自を持つに他ならないふたりは、見事な「演技者」ではあっても「改革者」とは縁遠く、既存秩序の破壊ではなくて強化(国家主義的な再編)を目指していることが判明しつつある。 戦後的「革新」派は、時代の波間に隠れて存在感を衰退させた5年間でもあった。戦前的な「復古」派が元気で、政治家の二世、三世が跳梁跋扈する永田町となった。おそらく、政治の劣化現象は若い世代から熟年までを覆っている「脱社会」「無関心層」の