ブックマーク / koken-publication.com (6)

  • 自民党の構造と政党政治のゆくえ  政治改革で見落とされた論点とは?【中北浩爾】【河野有理】

    『公研』2024年1月号「対話」 ※肩書き等は掲載時のものです。※この「対話」は2023年12月に収録しています。 自民党派閥のパーティー券裏金化問題が世間を騒がせている。 この問題の背景には何があるのだろうか、派閥の行く末は? SNS上では政治や宗教に対する過剰なバッシングも見られる中、 日政治の現状と過去、今後の見通しについて語っていただいた。 中央大学法学部教授 中北浩爾 × 法政大学法学部政治学科教授 河野有理 パーティー券問題に潜む「無責任の体系」 河野 日は「政治改革で見落とされた論点とは?」というテーマで自民党や日政治の今後について考えていきたいと思います。早速ですが、今回発覚した自民党のパーティー券裏金化問題について、中北先生はどのように見ていらっしゃいますか。 中北 今回の問題を理解しようとしたとき、私は丸山眞男の「無責任の体系」という議論を想起しました。メディアな

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    toronei 2024/01/20
  • 時代考証という仕事【呉座勇一】

    『公研』2021年2月号「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証を、歴史学者の坂井孝一さん、木下竜馬さんと共に行うことになった。主人公は、承久の乱で後鳥羽上皇を破った鎌倉幕府2代執権北条義時(北条政子の弟)で、小栗旬さんが演じる。脚は三谷幸喜さんである。 さて、時代考証の仕事とは何か。基的な業務は、三谷さんの台草稿を読んで、事実関係(いつ、どこで、誰が、何をしたか、など)の誤りを指摘することだ。 しかし、それだけではない。三谷さんが誤解・勘違いをしているわけではなく(むしろ、そういう事例は少ない)、意図的に歴史的事実と異なる話、史実として確認できない話を書くことがある。いわゆる脚色・創作である。 一例を挙げよう。史料にはAという人物が行ったと書かれている出来事を、Bという人物の話に改変する、ということがある(Aは劇中に登場しない)。

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    toronei 2021/03/06
  • 日米のステイホーム【渡辺努】

    『公研』2020年10月「めいん・すとりいと」 渡辺 努 世界中で感染が格化してから半年が経過し、新型コロナウイルスと人間の闘いの様相について随分と知見が蓄積されてきたようにも思う。闘いの一方の主役はウイルスであり、ここは医学系の研究者により、感染のメカニズムや治療薬・ワクチン開発など知見の蓄積が進んでいる。 闘いのもう一方の主役は人間だ。ここは、社会科学の分野で研究の蓄積が進んでいる。例えば経済学では、様々な国でコロナ感染に関する膨大な数の研究成果が発表されている。論文の著者の国籍が多様なのはコロナ禍の性質を考えれば当然だが、興味深いのは研究者の世代も多様という点だ。大学院に在学中の研究者の卵が自らを売り込むチャンス到来と意気込むのは十分想像できるが、各分野の大御所とされる研究者も、これまで考えたこともない難問に正面から挑戦し、注目すべき成果を挙げている。 経済学のコロナ研究で多くの研

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    toronei 2021/01/05
  • 歴史小説家と歴史学者【呉座勇一】 

    『公研』2019年8月号「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 私は最近、井沢元彦氏の『逆説の日史』や百田尚樹氏の『日国紀』など、歴史学の成果を無視した「俗流歴史」の弊害をあちこちで書いている。 念のため断っておくが、私は「小説家が歴史を語るな」「専門家以外は黙っていろ」と主張しているわけではない。「歴史ノンフィクション」「歴史書」「通史の決定版」などと謳うなら、歴史学の研究手法・研究内容をきちんと学んでほしいだけだ。 別に歴史学界の通説を全面的に受け入れ、それ以外の説を唱えるな、と言うつもりはない。だが「俗流歴史」の書き手は、通説を一知半解で糾弾したり、通説を意図的に矮小化して不当な攻撃を行ったりする。通説を批判する前に、ちゃんと通説を学び、正しく理解すべきだ。 歴史学の研究手法を修得した者の研究であれば、その人が在野・民間の研究者であろうと、歴史学界が差別することはない。実際、歴史

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    toronei 2020/10/23
  • 地方自治体と歴史学者【呉座勇一】 

    『公研』2020年2月「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 今年のNHK大河ドラマは『麒麟がくる』。主人公は明智光秀である。昨年から今年にかけて、例によって大河ドラマ関連が多数刊行された。 明智光秀は謎の多い人物である。その前半生も能寺の変の動機も、いまだ定説を見ない。光秀に関する史料が乏しく、歴史学界でも結論が出せないため、作家や自称歴史研究家が「謎解き」に多数参入している。ゆえに、今回の大河ドラマ関連は、例年以上に玉石混淆である。 特に私が懸念しているのは、明智光秀の末裔を称する明智憲三郎氏の活動である。明智説の問題点については、拙著『陰謀の日中世史』(KADOKAWA)や現代ビジネスのインタビュー「この国に陰謀論が蔓延する理由」、日経BizGateのインタビュー「『能寺の変』のフェイクニュースに惑わされる人々」などで論じたので、ここでは再説しない。 明智憲三郎氏の問題は、明智

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    toronei 2020/10/23
  • 『女帝』と俗流歴史本【呉座勇一】

    『公研』2020年8月「めいん・すとりいと」 呉座 勇一 最近話題になった書籍に、石井妙子氏のノンフィクション『女帝 小池百合子』(文藝春秋社)がある。女性初の総理候補との呼び声もある東京都知事の小池百合子氏の波乱に満ちた人生の軌跡を、関係資料の博捜と多数の関係者への徹底的な取材によって克明に描き出した迫真のドキュメントである。 匿名の証言者も少なくないので、小池氏の酷薄な人間性を示すエピソードの真偽などについては、疑う向きもある。しかし、一つだけ確実なことがある。小池氏は政策に特段の知識も関心も持っていないという事実である。 小池氏が初めて東京都知事選に出馬した際、「東京大改革」と称して、七つのゼロを達成すると主張した。待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、満員電車ゼロ、残業ゼロ、都道電柱ゼロ、多摩格差ゼロ、ペット殺処分ゼロの七つである。2階建て電車を走らせる、空き家を保育士に住居として提供するな

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    toronei 2020/10/23
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