女性を「失業や貧困や自殺」から救うために上野千鶴子氏が知るべきこと【中野剛志】 財政赤字は、本当に将来世代へのツケなのか? テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」が番組のウェブCMを公開するやいなや、SNS上で「女性をバカにしている」などと批判が殺到し炎上。番組は公式ツイッターで謝罪し、CMの公開を停止した。その最中にツイッターでつぶやいた社会学者の上野千鶴子氏の発言こそが大きな誤解と問題を孕んでいると指摘するのが評論家の中野剛志氏。中野氏の『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】』(ともにKKベストセラーズ)がMMT(現代貨幣理論)の最良の教科書として超人気のロングセラーだが、上野氏の「財政政策の考え方」と「ジェンダーに関する無意識」に対して敢えて警鐘を鳴らす。 上野千鶴子氏 ■上野千鶴子氏のツイートの見過ごせな
俺たちのガースー、丸腰訪米首脳会談の憂鬱【山本一郎】 【連載】山本一郎「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」 ■日米関係が問題視する先はまさに中国問題 俺たちの総理大臣・菅義偉さんの訪米・バイデン大統領との首脳会談が4月9日になったとの報道がありました。 国内ではコロナ対策がまともに進まず、ワクチン接種のスケジュールも微妙に遅延している状況でなぜか緊急事態宣言は解かれ、さっぱり盛り上がらない東京オリンピックの聖火リレーが始まってしまいました。感染力が強いとされる変異種コロナウイルスがどのくらい我が国で流行してしまうのかは分かりませんが、ガースー官邸ができて早半年、またバイデンさんもすったもんだの末に大統領に就任されてから3か月弱というところで強固な日米関係の確認をするためにも訪米することそのものは何も問題ないとは思うんですよ。 その日米関係が問題視する先はまさに中
みんな大好き森喜朗さん、予想通り「辞してなおも輝く」一部始終 【連載】山本一郎「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」 2021年2月12日、東京2020プレビュー 合同懇談会にて森喜朗会長が辞任を表明。 戦後のアカン感じの日本の見本市みたいになりました 三國志で洛陽を燃やした董卓さんが討たれて遺体を燃やしたら一週間ぐらい燃えていたという故事がありましたが、先週、東京オリンピックごと盛大に炎上していた森喜朗さんがいまなお煙を上げております。お元気で何よりだと思いますね。かれこれ燃え始めてから10日でしょうか、ほんと董卓か山火事かってぐらいの勢いで、文字通り歴史に名前を遺しそうです。燃えたのは洛陽ではなく東京オリンピックでしたが。 その後、スポーツ界の松本人志的なご意見番へと見事な昇格を果たした大坂なおみさんに森喜朗発言への見解を求めるマスコミが殺到。この「日本で社会
落合陽一が古市憲寿にテレビでいじられネットでブチ切れ一部始終【山本一郎】 【連載】山本一郎「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」 落合陽一(1987〜)。メディアアーティスト、研究者、大学教員、実業家など。父は落合信彦。 気持ちは分かるけど、お前それはどうなんだという事案が勃発し、新年早々ネット界隈に華を添えていたのが表題の物件です。 ことの経緯は、我らが総理大臣・菅義偉さんと会食を共にした落合陽一さんについて、古市憲寿さんがテレビでいじり気味に触れたところ、落合陽一さんが激怒。Twitter上で古市憲寿さんへの誹謗中傷をぶちまけておったという内容です。 さらには、それについて詳細を報じた東京スポーツに対して落合陽一さんが記事削除を直談判するため東スポ編集部に闖入するというビートたけし状態となり、騒然となりました。そんな落合陽一さんの行動ポイント消費に対して東スポ
新型コロナがあぶり出した「狂った学者と言論人」【中野剛志×佐藤健志×適菜収:第1回】 「専門家会議」の功績を貶めた学者・言論人 危機が発生すると、必ずデマゴーグが出現する。今回、新型コロナウイルスのパンデミックがあぶり出したのは、無責任な極論、似非科学、陰謀論を声高に叫び出す連中の正体だった。彼らの発言は二転三転してきたが、社会に与えた害は大きい。実際、人の命がかかわっているのだ。追及すべきは、わが国の知的土壌の脆弱性である。専門家の中でも意見が分かれる中、われわれはどのように思考すればいいのだろうか。中野剛志×佐藤健志×適菜収が緊急鼎談を行い、記事を配信したのは2020年8月7日。ちょうど一年後の2021年8月10日に発売される中野剛志×適菜収著『思想の免疫力』(KKベストセラーズ)を記念して再配信。 ■「新型コロナ専門家会議」を断罪したのは誰か 尾身茂(右)、西浦博(左)らの新型コロナ
「終わった人」橋下徹の首相待望論をブチ上げるプレジデント本誌が導く永田町百鬼夜行 【連載】「コップの中の百年戦争 ―世の中の不条理やカラクリの根源とは―」 ■コロナ対策で感染症問題も経済問題も山積する中、突然沸き起こる橋下徹待望論の謎 橋本徹氏(写真/アフロ) コロナ自粛騒ぎでにわかに東京の空気もクリーンとなり、普段着慣れたスーツを脱いで子どもたちと毎日ジョギングに精を出す私の元に「なんかクソ記事が流れてきたんですけど」という急報が入りました。 汗を拭きながらアクセスしてみると、出た汗が全部引っ込むぐらいに興味深くも面白い記事じゃないですか。 https://president.jp/articles/-/34737 タイトルからして「これが対コロナ最強布陣『橋下総理、小池長官、吉村厚生相』 もう安倍に政権を任せるのは無理だ」ですよ。何やこれは。こんな狂った記事、当の橋下徹さん本人でも顔赤
「コロナウイルスの流行と、人的接触削減のための外出自粛を政府や都道府県が求めたお陰で、飲食店に人が来なくなった」ということで、外食産業の人たちが「家賃棒引きにしろ」と言うモラトリアム法を作れって騒いでいたんですよ。 結論から言えば、こういう不審な活動をする人たちがテナントに入っても大丈夫なように、不動産業界というのは賃貸契約の中に解除条項がテンプレで入っていて、また、物件を貸すときに経営者の個人保証を入れてもらい、さらに賃料が払われないときのために保証会社をつけてもらうんですよね。 私も立場があるのであまり書きたくないことですが、物件を貸す側からしますと、飲食店というのは比較的よく潰れるのです。それはもう、次々と潰れては、また別のテナントが入ります。コロナがあろうがなかろうが「飲食店などすぐ潰れる前提」でいろんな手を打っているんですよ。もちろん、真面目にやっている飲食店はたくさんありますし
評論家・中野剛志が現在の日本の危機をとらえ、日本のあるべき今を語るシリーズ。今回は、一律「給付金」をめぐる陥穽、国民貧困化へ導く消費税と財政健全化の問題を議論する。 ◼️「1人あたり一律10万円給付」の新たな問題点 4月17日、安倍首相より、1人あたり一律で10万円の給付を実施するとの発表がありました。 所得制限を設けた上での一世帯当たり30万円の給付のはずだったのに、所得制限がなくなるという異例の大きな方向転換です。 もっとも、コロナ危機という緊急事態ですから、政治決断によって、このような突然の方針転換があるのも、やむを得ないことです。 また、所得制限を設けないのも、給付するスピードを重視したのでしょう。緊急事態では、スピードは特に大事です。 「1人あたり一律10万円給付」については、これを歓迎する声が多いようです。 しかし、本当に喜んでばかりでいいのでしょうか? 私は、次の二点が非常に
プロ5年目から味わった2年間のスランプ。そこで手にした“相手目線”の考え方。自身の生涯を振り返った新刊『壁』を発売する野村克也氏が、プロ野球人生でハマった落とし穴・そこで見つけた新しい武器について語った。 「野村、殴ったほうは忘れても、殴られたほうは忘れていないぞ」 プロ4年目の1957年に打率3割2厘、ホームラン30本をマークし、ホームラン王のタイトルを獲得しましたが、5年目と6年目は成績がガクンと落ちてしまったんです。 まさに1軍の壁にぶち当たり、スランプに陥った時期と言えますが、もちろん慢心したというわけではありません。むしろ調子を取り戻すために、それまで以上に熱心に練習し、素振りの数を増やしたほどですから。 しかし、効果はまったく出ませんでした。実は、当時の私は、カーブが打てないという弱点を抱えていました。ストレートを待っているときにカーブが来ると、あっさりと空振りをしてしまう。
12月22日に阪神でデビューしたダブルアンコール(牝2・父ディープインパクト、母ドナブリーニ、栗東・池江厩舎)。ジェンティルドンナの全妹とあり、17年セレクトセールにおいて約4億円で取引された馬だった。当初から気性の問題や馬体が小さいという話もあったが、何とかデビューに漕ぎつけたのだ。 ただ、その鞍上にいたのは水口騎手。GIはおろか重賞も勝っていない騎手だけに騎乗そのものが事件だったともいえる。スポーツ紙記者がその舞台裏を明かす。 「当初は武豊騎手にも依頼があったようだ。ただ、あまりにも煩(うるさ)いタイプの馬だし、いろいろと関係者が協議した結果、普段から調教をつけている水口騎手が起用されることになったようだ。本当は別の日に他の騎手でデビューさせたかったというところだろうけど、22日なら有馬記念で主力騎手が遠征しているという名目も立つしね。 水口騎手は池江厩舎の調教を普段から手伝っているこ
地域で子どもたちの遊ぶ姿が見掛けられなくなって久しい。「遊び場」と「外遊び」を失った子どもたちのその後と…
クビか移籍か。契約から見る鹿島が「ファミリー」たるゆえん【岩政大樹の現役目線】 鹿島アントラーズはなぜ巨大戦力ではないのか ■岩政大樹「現役目線」第33回 ■契約にまつわる改善点 移籍市場が落ち着き、どのチームもJリーグの開幕に向けて準備を進めています。今年は印象的な移籍が続き、新シーズンの動向がとても楽しみになりました。 プロの世界は契約によって縛られ、選手をしていれば移籍はずっと頭のどこかについて回るものです。僕もワールドカップやアジアカップを終えた2011年あたりからは毎年のように移籍の選択肢を心のどこかに持ちあわせながらシーズンを過ごしていました。 日本では昔からの名残で「クビ」だとか「戦力外通告」だとかいう言葉が根強く残っていますが、サッカーの世界ではそもそも契約が切れる半年前から自由にどのチームとも次年の契約を結べることになっているので、実際には選手たちはシーズン中からあらゆる
英国のEU離脱など、世界情勢の大きなうねりを読み解いてきた、エマニュエル・トッド理論。じつは日本という国のあり方を考える際にも有効なツールだ。トッドの家族類型では「直系家族」に分類される日本だが、昨今では核家族主義、個人主義の流れもある。どうバランスをとるべきか。新刊『エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層』を上梓した鹿島茂氏に聞く。 自民党こそが直系家族的 現在の官邸というより、かつての自民党の「派閥政治」こそが直系家族なんですね。そもそもかつての自民党は「党」とは呼称すべきでないと思っています。ドイツ文学者の種村季弘さんが昔「自民党は日本そのものなんだ」と言っていたように、右から左まで全部の要素を持っていた。カネも派閥が自己調達するから、各派閥が小さな直系家族であり、自民党はその集合体だった。 直系家族の最大の特徴は、父親が権力を握っているのではなく、父親に権威があることになってい
今年4月、経営難の状態となっていたサッカーJ2のクラブチーム「V・ファーレン長崎」の代表に就任された、髙田明さん。そのいきさつについて、お聞きしました。 突然の大役でした。 V・ファーレン長崎はもともと多くの地元企業や個人の方が株主になり経営する、まさに「地元のチーム」です。それが経営危機を迎えた。ジャパネットたかたも8年スポンサーをしてまいりまして、多くの方から「このまま放っておいたらチームがなくなってしまう」という声をいただきました。私は長崎県に生まれ、長崎に育ててもらった人間ですから、これは一肌脱がなければと感じました。 いままでやってきた夢をなくすのは長崎県にも、応援してくださるみなさまにとってもよくない、と考えたからです。 (インタビュー直前)先ほどもその会議があって、とても忙しい日々を送っています。先日、すべての株式をジャパネットが取得しましたので、ジャパネットの子会社としてし
安倍でもわかる「改革」のお話。 かつての自民党には少数ながらも保守的な政治家が在籍していました。自民党は発足当初から、近代的理念を掲げる革新政党でしたが、「真っ当な日本人」を切り捨てない層の厚さがあった。 いわゆる五五年体制下では、党内における派閥間の抗争という形で議会政治が成り立っていましたが、大衆社会化および政治制度の改悪により、自民党から保守的要素は切り捨てられていき、プレーンな都市政党になってしまった。 自民党の支持基盤が変わったのだから、安倍が農協などの中間組織に攻撃を仕掛けたり、配偶者控除廃止の検討により家族制度の解体を図ろうとするのも当然です。 二〇一五年二月一二日、安倍は施政方針演説で「農政の大改革は待ったなし」「新しい日本農業の姿を描いていく」などと述べ、農協を一般社団法人に移行させる方針を打ち出しました。 また、「改革」という言葉を三六回も使用。 そこまで「改革」しなけ
「ボーイフレンド」(Netflix)と「いちばんすきな花」(フジ)からみる、視聴者たちの“浄化”への欲求…
「出版不況と言うのは、出版社がサボっているだけ」。そう語るのは大ベストセラー『えんとつ町のプペル』を生んだ、芸人にして絵本作家のキングコング・西野亮廣。彼は、時代によって変わるモノの売り方をどう読んでいるのか? いま、本を売るために必要なこととは? 出版不況は出版社がサボっているだけ ――『えんとつ町のプペル』が23万部を突破したとのこと、おめでとうございます。『えんとつ町のプペル』の2ヶ月前に出版したビジネス書『魔法のコンパス』が10万部突破。「出版不況」の時代に、西野さんは次々にベストセラーを生んでいますね。 ありがとうございます。『えんとつ町のプペル』は「どうやったら売れるのか?」を真剣に考え抜いて、実践しました。せっかく作った作品も、お客さんの手に届かないと、作ったことになりません。 出版業界の方って、口を開けば「出版不況」と言うじゃないですか。あんなの言い訳で、ただただ純粋にサボ
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