「経済に着目するならドイツが欧州最強の国だが、人口統計に着目するならフランスが欧州最強の国となる」 このようなことが冗談めかして語られるほど、フランスの出生率は、ほかの欧州諸国に比べて高い。フランスの2014年の合計特殊出生率(女性1人当たり一生涯に産む子供の数)は2.01。親の世代と子の世代が1対1で置き換わる水準の2.1に近い数字になっている。 一方、EU加盟28ヵ国全体の出生率は1.58と低い。とりわけ出生率の低下が深刻なのがスペインやポルトガル、イタリアといった地中海諸国だ。「カトリックの国は多産」というイメージがあるかもしれないが、じつはこれらの国の出生率は1.3~1.4ときわめて低い。ドイツ語圏(ドイツ、スイス、オーストリア)や旧共産圏(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)も出生率の低さが目立つ。 フランスは、もともと出生率が高かった国ではない。70~80年代には、出生
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