今年誕生から32年を迎えるカシオ計算機株式会社の腕時計・Gショックが順調な売れ行きを維持している。出荷台数は730万個(2014年度)と過去最高を更新中で、2015年度は800万個(目標値)、カシオ全体の連結純利益も330億円が見込まれている。この好調の秘密はどこにあるのか? 作家の山下柚実氏がリポートする。 * * * 「17歳に火を点けろ」 ストリート系の若者を中心にアメリカでGショックブームが燃え上がったのは今を遡ること18年前、1997年のこと。その勢いが日本へ逆輸入され国内でも人気が爆発した。3万個売れればヒットという時計業界において、1997年の出荷個数は国内外あわせて600万個に達した。 「たしかにかつてのブームは凄まじいものでした。しかし、その後の沈み方もまた、すごいものがありました」と同社コーポレートコミュニケーション統轄部・宣伝企画担当部長の田中秀和氏(52)は振り返る