1. ビジネスとITのギャップを埋める 本連載が始まって約2年がたち、当時、出始めだった『ITアーキテクト』という言葉も定着した感がある。また、システム開発を成功させるためには、ビジネスとITの間のギャップを埋めなければならないという考えも、広く支持されるようになってきている。本連載では、これまで著者の所属するウルシステムズのコンサルタントの体験をベースに、上流工程で行うさまざまな活動を具体的に紹介してきた。システム開発に携わる多くの技術者にとっては、あまり縁のなかった上流の領域の様子がお伝えできたのではないかと思う。今回は、連載の締めくくりとして、IT技術者、あるいはITアーキテクトが上流領域で何をすべきなのかについてあらためて総括をしたい。 上流領域でのIT技術者の役割とは、一言で言えば、『ビジネスとITのギャップを埋める』ことにある。ビジネスとITのギャップとは、すなわちシステム開発